「地元の良さを伝えたい」、永山さん夫妻が昔ながらの結婚式を挙行/陸前高田(別写真、動画あり)

▲ 真剣な表情で祝言に臨む永山さん夫妻=小友町

 東日本大震災を機に「自分ができることを被災地で手伝いたい」と陸前高田市に移住した永山悟さん(31)=宮崎県出身=と、同市出身の智絵さん(27)夫妻の結婚式が18日、小友町の気仙大工左官伝承館で行われた。「結婚式を通して地元の良さを伝えたい」という願いを込め、陸前高田に古くから伝わる祝言の形式にのっとって挙式。披露宴や二次会も市内の施設で開かれたほか、料理や引菓子、引き出物など随所に地元のものが使われ、2人の地元愛とこだわりが光る内容となった。

 

〝陸前高田〟にこだわり

 

 陸前高田ですてきな結婚式を挙げる文化を作りたい──。共に市役所職員である永山さん夫妻のそんな思いを、県内で活躍するフリーランスウエディングプランナー・小山美衣子さんが形にした。
 気仙大工左官伝承館での結婚式、キャピタルホテル1000での披露宴、陸前高田未来商店街での二次会と、会場も〝陸前高田ならでは〟の場所を選定。親族や友人だけでなく、地域住民らも協力して2人の門出を祝福した。
 このうち結婚式には、両家の親族合わせて38人が出席。悟さんと智絵さんの友人や同僚ら約40人が見守り、地域住民の有志が祝言の進行役を務めた。
 お互いの親族が紹介されたあと、三三九度や指輪の儀(指輪交換)などが厳かに執り行われた。途中、儀式や行動の意味合いについて「すべての飾り物に水引が付いているが、これは『あわじ結び』という結び方。めでたい結びにあやかるため、床の上に結び目を描くように歩いている」などと説明される場面もあり、参列した関係者らは興味深げに聞き入った。
 つつがなく式を終えたあと、きょうという日を祝うように晴れ渡った空の下で記念撮影。悟さんと智絵さんは「大勢の人に来てもらえたうえに天気も良くて、結婚式をやってよかったと思いました」「たくさんの人に見に来ていただき、本当に幸せな気分になりました」とニッコリ。「ずっと笑顔が続く、笑いがたくさんあふれる家庭にしていきたい」と幸せそうにほほ笑みあっていた。