3種類に多様な意見、「赤かぶソース」試食調査まとまる/住田町

▲ 試食で提供された(左から)ローストビーフソース、マヨソース、リッチソース=住田町

 住田町の「食いくプロジェクト」が進めた「かぶde食べるソース」試食アンケートの結果がまとまった。5月4、5の両日に盛岡市の「ななっく」売り場などで試食機会を設け、味やネーミング、価格設定などを調査。地元産食材の魅力発信や味わいの個性を生かした販路拡大など、今後につながる声が多く寄せられた。
 原材料として活用している「坂本赤かぶ」は、上有住坂本地区で生産される希少な地野菜。古くから漬物などに加工されてきたが、販路が限られているため生産は数軒にとどまる。しかし、熱しても独特の赤色が残り、風味にも高い評価が寄せられている。
 町では平成25年から「食で町おこし事業」の一環で、ドレッシングの試作を開始。27年度以降同プロジェクトの中で取り組みが進められ、地方創生交付金を生かした試作品製造などが行われた。
 今回の調査は、試食を通じて商品や価格設定などの意見を集めようと実施。㈱エムシィアール(大滝克美代表取締役、埼玉県さいたま市)に委託した。
 用意したのは、赤かぶ配合比が55%を超え、住田なたね油や火の土にんにくなども使用した「リッチソース」と、同配合比15%で醤油などで味を調えた「ローストビーフソース」、同配合比約13%の「マヨソース」の3種類。各単品予定販売価格は980円(税込)としている。
 試食では、豆腐やバケット(フランスパン)などを付け合わせに使用。アンケートを記入してもらう形で調査を行い、2日間で62件の有効回答が得られた。
 このうち、リッチソースは好き嫌いが分かれたものの「赤かぶの味が引き立つ」「赤かぶ本来の味がする。ざらっとした舌ざわりが不思議で少しくせになる」といった声も。個性が引き立っているとの意見が目立った。
 調査で最も支持を集めたのは、ローストビーフソース。マヨソースは男性や子どもを中心に評価が高く、見た目がかわいいといった意見もあった。
 一方、名称やデザインには「ポップでかわいい」といった好印象の半面「住田町らしさがない」「赤かぶの食材感がない」との指摘も。本格的な販売に向け、再検討の必要性が浮き彫りとなった。
 各ソースを詰め合わせた3点セット(3000円)に関しては、価格が高いと回答した割合が半数を占めたものの「ギフトであればよい」「地元の野菜とセットなら」との声も。単品980円の販売は、家庭用やドレッシングとしては高いとの回答が多かった。
 調査を通じて盛岡では購入希望者が少なからずいることも分かり、今後の展開に希望が持てる結果に。同プロジェクトでは、一般・飲食店などへの販売を見据えた検討を続けることにしている。