最高路線価横ばい、盛町の丸森権現堂線通り/大船渡税務署管内
平成28年7月2日付 1面

国税庁は1日、土地の相続税や贈与税の算定基準となる平成28年分の路線価を公表した。大船渡税務署管内の最高路線価格所在地は、昨年と変わらず大船渡市盛町字町の丸森権現堂線通りで、1平方㍍当たりの価格は4万5000円。26年、27年と対前年価額が上昇し、27年は県内トップの変動率だったが、今年は変動はなく高止まりとなった。
昨年と同じ4万5000円
路線価は、道路に面した土地(宅地)1平方㍍当たりの価値で、相続税や贈与税の課税評価額の基準となる。毎年1月1日を評価時点とし、工事地価や不動産鑑定士らによる鑑定評価額などをもとに公示価格水準の8割程度に設定されている。
発表によると、盛町の丸森権現堂線通りの路線価は昨年と変わらず4万5000円。価額は仙台国税局管内(東北6県)で25番目の高さで、昨年から一つ順位を上げた。
評価額の対前年変動率は0・0%で、昨年の3位から順位を下げて同局管内で9位となった。
同局の全52署の28年分最高路線価所在地のうち、昨年分と比べて最高路線価が上昇したのは宮城、福島の計8地点で前年比5地点の減少。横ばいの地点は大船渡や宮古、釜石、気仙沼など19地点で、前年比で8件増えた。下落したのは昨年より3地点少ない25地点となっている。
県内を見ると、水沢、花巻、久慈、一関、二戸の5署で最高路線価が下落。このうち最も下落したのは水沢のマイナス7・3%。盛岡、宮古、大船渡、釜石はいずれも昨年から変動がなかった。
県内の最高路線価は、盛岡市大通2丁目・大通りの23万5000円で、価格は一昨年、昨年と変わっていない。
大船渡税務署管内の最高路線価は、世界的な景気悪化による地域経済の低迷などを背景とした土地需要の減退などにより、16年から20年まで二ケタ台の下げ幅を記録。21年以降も下落が続いた。
こうした中、23年3月に東日本大震災が発生。甚大な被害を受けた気仙両市では同年の路線価に震災発生直後の価格を算定する調整率が適用され、最大で70%の下落率となった。
最高路線価は24年もマイナスで推移して10年連続の下落となったが、震災復興が本格化した25年は11年ぶりに上昇に転じ、昨年は対前年比で4・7%上昇し県内トップの変動率となった。
22~28年分の路線価や図は国税庁ホームページ(www.rosenka.nta.go.jp/)でも閲覧できる。