17歳も「清き一票」、住田高生が手続き

▲ 意中の候補・政党を記した投票用紙入りの封筒を手渡す菅野君㊨=住田町役場

 10日(日)投開票の参院選期日前投票会場となっている住田町役場に4日夜、10日に外出予定がある住田高3年生3人が訪れた。18歳の2人は選挙区、比例代表の各投票箱に投票用紙を入れて済ませたが、7日(木)に誕生日を迎える菅野伊織君(17)は不在者投票に。菅野君にとっては予想外の対応となったが、選挙の仕組みを学ぶ機会にもなり、手続き後は晴れやかな笑顔を見せた。

 

誕生日前に不在者投票

 

 公職選挙法の改正で、選挙権年齢が18歳まで引き下げられた中で行われる初めての参院選。投票日翌日の11日までに18歳の誕生日を迎えれば、一票を投じることができる。
 先月23日から始まった期日前投票は、出向く時点で18歳となっていなければならない。一方で、不在者投票は投開票日まで選管が投票用紙を預かる形式となっており、選挙権がある17歳は名簿登録地の各選管で手続きできる。
 菅野君は、同じ世田米中出身の紺野尚之君(18)、千葉執真君(18)と一緒に、役場内にある期日前投票会場に出向いた。3人とも、期日前投票をするつもりだった。
 18歳の2人は持参した投票用紙を受付で示すとスムーズに手続きが進んだが、菅野君の用紙には機械が正常に反応せず。まだ17歳であることが原因と分かり、不在者投票手続きに切り替えた。
 期日前の2人と同様、菅野君は選挙区、比例代表に意中の候補者名や政党名を記入。会場に設けられた投票箱ではなく、専用封筒に入れて管理者に手渡した。貴重な経験を済ませた17歳は「最初は戸惑ったけど、不在者投票の仕組みが分かって良かった」と語り、笑顔を見せた。
 

期日前の手続きをとった住田高校生2人は投票箱に=同

期日前の手続きをとった住田高校生2人は投票箱に=同

一方、期日前で投票した紺野君は「選挙当日は英検の2次試験がある。将来的に福祉が充実するよう願いを込めて投票した」、野球部の千葉君は「県大会開幕前に手続きを終えることができ、これで緊張が少しやわらいだ」とそれぞれ話していた。
 住田高では、3年生35人中12人に今参院選の選挙権があるという。6月下旬には対象者を集めて「一般有権者が電子メールで特定候補への投票を呼びかけてはいけない」をはじめ、公職選挙法に関する注意点などを確認した。
 期日前投票は、投開票日前日の9日(土)まで手続きできる。大船渡市は市役所本庁、陸前高田市は高田地区コミュニティセンター(市コミュニティホール)、住田町は町役場で対応し、時間は午前8時30分から午後8時まで。大船渡市の三陸支所、綾里、吉浜両地域振興出張所でも対応しているが、同5時15分までとなっている。