被災地の現状を肌で、日本商工会議所の三村会頭らが来市/大船渡(別写真あり)
平成28年7月9日付 1面

日本商工会議所(日商)の三村明夫会頭は8日、大船渡市を訪問した。三村会頭は大船渡商工会議所を訪れ、齊藤俊明会頭らと懇談。大船渡町のJR大船渡駅周辺で進められている津波復興拠点整備事業なども視察し、被災地の現状を肌で感じた。
新日鐵住金㈱の相談役・名誉会長であり、東京商工会議所会頭も務める三村会頭。今回は前日に青森県で開かれた東北六県商工会議所連合会の定期総会に出席後、東日本大震災の被災地を視察しようと大船渡、釜石両市に足を運んだ。日商会頭の大船渡訪問は、23年5月の岡村正前会頭以来、2度目となった。
この日は、日商の三村会頭、石田徹専務理事、青山伸悦理事・事務局長、岩手県商工会議所連合会の谷村邦久会長らが来市。大船渡商議所では、齊藤会頭、水野公正、中井昭樹両副会頭らが迎えた。
齊藤会頭は市内における住まいやなりわいの再建状況を踏まえ、「今後、商工会議所の果たす役割はさらに重要になると考えている。特に販路開拓、開発は、陸前高田、住田とともに事業を展開し、今後も計画している。日本商工会議所、東北6県の皆さんにも支援をいただき、何とかなりわいを完全に復興させたい」と述べ、歓迎の言葉を贈った。
三村会頭は「一番大きな問題は販路開拓であり、本当の正念場になる。いよいよ復旧が終了し、復興に取りかかったことは、心を明るくしていると思う。率直に課題があればうかがい、中央政府などに政策提言として出すものがあれば、喜んで提言に結びつけたい」とあいさつした。
その後、大船渡商議所側では震災からの復旧、復興状況を説明。視察では大船渡駅周辺に赴き、土地区画整理事業、津波復興拠点整備事業が進む様子に理解を深めた。
終了後、齊藤会頭は懇談などの様子を振り返り、「三村会頭からは〝被災地の中でも順調に復興事業が進んでいる印象がある〟との言葉があった。こちらからは気仙丸の利活用について具体的な実現ができるような後押しと、ぜひ復興事業が完了した際には再訪をしていただくようお願いした」と話していた。