大股の伝統文化を未来に、4神社合同の例大祭/住田町(動画、別写真あり)

▲ 子どもたちによる神楽披露をはじめ、多彩な企画で活気をもたらした=大股地区公民館

 住田町世田米の大股地区公民館・種山ホールで17日、地区内に鎮座する津付山ノ神、中井八幡、大股八坂、小股宇南大権現社の4神社による合同例大祭が執り行われた。4神社合同は初めてといい、大股の伝統や文化を未来につないでいこうと地域住民が1年以上前から準備。神事に続き、町指定の無形民俗文化財・大股神楽をはじめ多彩な演目が繰り広げられ、にぎわいに包まれた。

 

〝地区総ぐるみ〟でにぎわい

 

 例大祭は実行委員会(委員長・泉彰大股地区公民館長)が実施主体。企画や運営は、住民組織の「大股を次世代に伝える会」(遠藤重吉代表)などが中心となって進めてきた。
 最盛期には170世帯があったとされる大股地区は現在、約110世帯に減少。将来的には90世帯台も予測されている。
 少子高齢化などに伴い、地域で長年持ち回りで行われてきた山ノ神、八幡、八坂3社による例大祭は十数年前から途絶えていた。こうした中、先人の苦労をしのびながら未来に向けた住民らの絆をより強めようと、従来の3神社に宇南大権現社を加えた「大股地区総ぐるみ」の祭典として企画された。
 実行委によると、この日は地域住民や来賓ら約230人が参集。冒頭、泉委員長は「まさに『大股を次世代に伝えたい』という一念で執り行うことになった」とあいさつした。
 4社を祀る祭壇前での神事に入り、各神社関係者が玉串奉てんなどを行い、地域安泰への願いを込めた。引き続きホール内では大股神楽保存会による奉納披露が行われた。
 大股神楽は、明治33年に現在の奥州市江刺区岩谷堂から伝わったとされる。伝統を受け継ぐ大人だけでなく小学生もステージ上で軽快な舞を繰り広げ、盛大な拍手を浴びた。
 その後は住民らの余興となり、歌や踊りをはじめ多彩な一芸披露が続いた。来場者はステージ上の演目を楽しむとともに、思い出話や近況を語り合うなどしながら、なごやかなひとときを過ごした。