夏の夜に光の軌跡、水田でホタル群舞/日頃市町(動画、別写真あり)

▲ 平山さん方の水田を舞うホタルの光(25日午後8時ごろ、30秒露光撮影)=大船渡市日頃市町

 梅雨明けはまだながら、夏らしい暑さも感じられるようになっている気仙地方。この中、大船渡市日頃市町字平山地内の水田では、夜な夜なホタルが群舞。静かな山あいに光の軌跡を描き、幻想的な雰囲気を醸し出している。
 ホタルの群舞が見られるのは、平山茂男さん(65)方の水田。自宅のすぐ前にあり、7㌃ほどの広さ。近くには平子沢川が流れる。
 「大きさや光の点滅の速さなどから見ると、ヘイケボタルかヒメボタルでは。風情があっていいものですよ」と平山さん。今年は2週間ほど前から姿を見せはじめたという。
 ここ数日、日中の最高気温が25度を超える夏日が続く中、田んぼ一面に光の競演が繰り広げられることも。25日は午後7時30分過ぎからぽつぽつと光が見え始め、幻想的な光景が広がった。
 水田を離れて川沿いの高い木にとまる姿もあり、星空と相まって季節外れのクリスマスイルミネーションの風情を醸し出していた。夕食を終えた近所の人たちも繰り出し、その光景に目を細めた。
 平山さんは「以前から姿はあったが、東日本大震災があってからのここ数年は目立って多くなった。川も湧き水もきれいな地域なので、大切にしていきたい」と話していた。
 ホタルが飛び交うのは、おおむね午後7時30分ごろから1時間ほど。平山さんによると、日中暑く、夜は風がなく蒸すような日は姿が多いという。見学も歓迎しているが、周囲は暗いため足元への注意をはじめ、車などのライトで水田を照らさない、大声を出さないといった観賞マナーも求められる。