被災跡地を集いの場に、米崎の旧館公民館周辺にパークゴルフ場整備/陸前高田(別写真あり)

▲ 被災跡地を活用したパークゴルフ場がオープン。地域の人たちがさっそくプレーを楽しんだ=陸前高田市米崎町

 陸前高田市米崎町字館地内の東日本大震災津波被災跡地に31日、「米崎ふれあいパークゴルフ場」がオープンした。高台移転後に市が買い取った住宅跡地などの利活用に向け、住民たちが当面の利活用方法を模索し、集いの場として役立てようと整えてきたもの。この日は夏らしい青空に恵まれ、「打ち初め」に訪れた人々のにぎやかな声が響いた。

 

防集買取地を活用

 

 同パークゴルフ場は、津波で全壊した旧館公民館の周辺。防集事業で市が買い取った住宅跡地など約3716平方㍍と休耕地を活用して9ホールを設けた。
 米崎地区コミュニティ推進協議会(新沼幸男会長)が中心となり、被災跡地の利活用の検討を進める中、子どもからお年寄りまで多世代が集い、震災後の新たなコミュニティー構築や健康づくりにつながる場にしようと、市に打診していた。
 住民たちでつくる同町パークゴルフ愛好会(仮称、金野昌則代表)の会員が中心となり、この春から石やコンクリート片の撤去、草刈りなどコース整備に汗を流してきた。クラブやボールなどの用具は竹駒町の玉山金山パークゴルフ場で使われていたものを借り受け、管理棟と簡易トイレも設置した。
 そのオープンとなった同日は、愛好会やコミュニティ推進協、市教委などから14人が参加して記念セレモニーを実施。
 参加者の最高齢として地元の菅原律雄さん(85)による試打が行われ、パークゴルフ場としてのスタートを告げた。
 参加者たちはさっそく、4人一組になってホールを回った。もとの地形を生かして起伏に富んでおり、海側へ打ち下ろすようつくられたホールでは、途中に構える大きな石にボールが当たり思わぬ方向に転がるなどし、にぎやかな歓声が響き渡っていた。
 用具貸し出しも含めて無料としており、多くの利用を呼びかけている。金野代表は「子どもや親、お年寄りまで、幅広い世代に楽しんでもらいたい。このあたりも高台移転が進んでおり、家にこもりがちな人たちが外に出かけるきっかけになったり、新しいコミュニティーづくりにも寄与できれば」と話している。
 愛好会員も随時募っている。問い合わせは同代表(℡55・4452)まで。