特産品を全国へ発信、相互取扱協定を締結/大船渡市と泉佐野市

▲ 大船渡市と泉佐野市が物産品相互取扱協定を締結=大船渡市役所

 大船渡市と大阪府の泉佐野市は2日、「特産品相互取扱協定」を結んだ。互いの特産品を全国に発信し、販路拡大や交流を深めようとのもので、大船渡市にとっては初めての締結。今後、両市ではふるさと納税の返礼品や各種イベントでの物産販売などを通じ、互いの特産品をPRすることとしており、自治体同士の絆も一層強めていく。


 大阪市と和歌山市のほぼ中間に位置する泉佐野市。人口は約10万2000人で、海と山に囲まれた土地を生かし、商工農漁業がそれぞれバランスよく発展してきた。日本のタオル発祥地として、タオルの製造は国内シェアの半数を誇るほか、水ナスやタマネギ、キャベツといった農産物やその加工品、大阪湾内で水揚げされる魚介類などが主な特産品となっている。
 同市では地場特産品の情報発信や販路拡大などに向け、平成27年11月に埼玉県佐野市と初めての特産品相互取扱協定を締結。これまで和歌山県紀の川市、奈良県葛城市、沖縄県石垣市と協定を結んできた。
 大船渡市とは、東日本大震災発生後の24年から、職員を派遣している縁がある。協定の締結は泉佐野市側からの呼びかけに対し、大船渡市側が応じたもので、式は同市役所で開かれた。
 泉佐野市からは、千代松大耕(ひろやす)市長らが出席。大船渡市からは戸田公明市長、髙泰久副市長、佐藤高廣統括官らが臨んだ。
 4年ぶりに大船渡を訪れた千代松市長は、「久しぶりに来て復興の状況を見させていただいたが、まちの様子が変わったことを目の当たりにし、感動している。泉佐野市からお世話になった職員にとって、大船渡はかけがえのない存在。協定を機に、大船渡市との絆を深めていきたい」とあいさつ。
 戸田市長は職員の派遣やこれまでの支援に改めて感謝し、「協定を結ぶことは、非常に意義がある。市としても新たな特産品の開発に取り組んで全国へ広げ、大船渡のおいしい食べ物を全国の皆さんに味わっていただく機会にしたい。泉佐野市との絆をより一層深め、互いに未来に向かって進むきっかけになれば」と期待を込めた。
 その後、両市長が「両市はこの締結を新たな出発点とし、互恵の立場にたって両市間で特産品に関係するあらゆる友好交流に積極的に取り組むことに合意する」と記された協定書にそれぞれサイン。固い握手を交わし、締結した。
 今後、両市では互いの特産品をふるさと納税の返礼品に加えていくほか、産業まつりといったイベントでの販売を計画。泉佐野市は関西国際空港に近く、外国人観光客の数も多いことから、外国人向けの観光案内所でも大船渡の特産品をPRしていきたいとしている。