大船渡「非常に良好」、職安マッチング機能評価/県労働局が公表

▲ 大船渡職安による事業所見学会(今年5月、住田町で)

 岩手労働局は、平成27年度の県内公共職業安定所(ハローワーク)のマッチング機能に関する業務の総合評価結果などについて、このほどまとめ公表した。継続的な業務改善によるハローワークの機能強化を図ろうと、同年度から取り入れられたもの。気仙を管轄する大船渡職安(三上元詔所長)は「非常に良好」と位置付けられ、人手不足解消に向けた事業所・施設見学会実施や、子育て中の母親の就業支援などの取り組みも評価された。
 この取り組みは、官民協働による求人・求職マッチング機能強化を図ることなどを盛り込んだ「日本再興戦略」が一昨年6月に閣議決定されたことを受け、27年度から全国で一体的に実施。
 就職件数、求人充足件数、雇用保険受給者の早期再就職件数といった目標値を設定し、目標管理や業務改善の拡充などに向けた取り組みを展開。
 マッチング機能にかかる総合評価と公表はこの一環として実施しているもので、全職安で共通する評価、職安ごとの重点的な取り組みの評価の双方を踏まえ、成果について「非常に良好」「良好」「標準的」「向上のため計画的な取り組みが必要」と区分けしてある。
 全国では427の職安のうち、「非常に良好」が16、「良好」が198、「標準的」が207、「向上のため…」が6。岩手労働局管内の10職安は、「非常に良好」が2、「良好」が7、「標準的」が1だった。評価は業務量などが似た職安との比較による。
 大船渡職安は「非常に良好」とされ、主な指標を見ると就職件数が目標2092件に対して1981件(達成率95%)、充足件数目標2024件に対し1812件(同90%)、早期再就職件数目標404件に対し359件(同89%)。紹介成功率は44・5%、満足度は求人者で96・4%、求職者で94・8%などとなった。
 このほか、震災後際立つ人手不足対策を最重要ととらえ、早期就職促進と求職者掘り起こしのための事業所・施設見学会の開催、水産加工事業所への就職促進を図る「水産マップ」の作成、子育て中の母親支援に向けた出張相談会、人手不足3分野(建設、福祉、食品製造)に特化した求人情報の定期発行やコンビニエンスストアなどへの配布といった取り組みに力を入れた。
 大船渡職安の取り組みは、全国の評価結果が総括された労働政策審議会職業安定分科会席上、好事例として紹介された。三上所長は「まだまだ人手不足の状況。求職者に対する企業PRや子育て者の相談会などにスポットを当てながら、みなさんの意見やアイデアも生かして進めていきたい」と話している。