さわやかに大人の第一歩、成人式で42人の門出祝う/住田町(動画、別写真あり)

▲ 木造庁舎を背に、飛躍を誓った新成人たち=住田町役場

 住田町の平成28年度成人式は14日、町役場で開かれた。県内のトップを切る夏開催の成人式で、今年は42人の門出を祝った。式では多くの町関係者が見守る中で一人ずつ名前を呼ばれ、社会を担う責任も胸に刻んだ新成人たち。式典や交流会を通じて、これまで成長を支えた家族や恩師らに感謝の思いを寄せるとともに、自身の飛躍とふるさと・住田の振興を誓った。

 

ふるさと、家族、恩師に感謝

 

 新成人の対象者は、平成8年4月2日から9年4月1日までに誕生した42人(男性28人、女性14人)。8割を超える34人に加え、小中学校時代の恩師や町関係者、町議ら計約100人が出席した。
 気仙3市町では唯一、お盆の帰省時期に合わせている住田町の成人式。県内をみると夏開催の市町村でも15日が多く、本年度のトップを切る門出となった。
 木造のぬくもりと、森林・林業のまちらしさが広がる役場内での開催は、昨年に続き2度目。女性陣は華やかなパーティードレス、男性陣はりりしいスーツ姿が目立った。
 町民ホールでは国歌斉唱に続き、出席した新成人を一人ずつ紹介。呼ばれた若者たちは元気よく返事をしたあと、来賓者らが見守る中を歩いて自席に戻り、社会人としての周囲の期待や背負わなければいけない責任の重さを再認識した。
 多田欣一町長は「ふるさと・住田で生まれ育った人間として誇りと愛着を持ち、しっかりとした絆を持って生き続けてほしい。失敗を恐れず、自分らしく、果敢に挑戦を」と式辞。菊池孝町議会議長は「多くの自由とともに責任も生まれる。自分に恥じることのない行動を」と激励した。
 新成人を代表して、水野眞一郎さん(19)=県立産業技術短期大学校2年、有住中出身=が答辞。「より豊かな社会を創造していくために、住田に生まれ、育ち、生きることを誇りに思いながら努力したい」と語った。
 新成人を祝福するすがすがしい青空の下、庁舎をバックに記念写真を撮影。その後は交流プラザで新成人らによる実行委員会(紺野景汰委員長)が企画、運営役を担った交流会「味わい知る ふるさとすみた」が開かれた。
 

仲間たちとの再会や祝福ムードに笑顔が広がった交流会=同

仲間たちとの再会や祝福ムードに笑顔が広がった交流会=同

会場内では、手打ちそば調理を実演。地元産スギで造られた杉屋台も登場し、地元食材をふんだんに用いた「鶏のから揚げ」「アユの塩焼き」「清流米のおにぎり」「すみたっこバーガー&一口かま餅」「鶏ハラミ焼き」など9品が並んだ。
 新成人たちはふるさとの魅力が詰まったおいしさを味わいながら懇談。「多くの先生方と新成人を喜び合いたい」という実行委の思いを受け、世田米小・中、有住小・中時代の恩師計12人がスピーチを行い、苦楽をともにした思い出を振り返った。
 出席した佐藤和真さん(20)=盛岡大学2年、世田米中出身=は「式典で名前を呼ばれた時、成人の重みを感じた。中学校の英語教師を目指しており、将来は住田から通い、気仙の学校に赴任したい」と決意。紺野実行委員長(20)=遠野高卒、有住中出身=は「温かい雰囲気の中で開催できた」と話し、笑顔を見せた。