大漁と安全を祈願、サンマ船出船式/大船渡(別写真あり)

▲ 離岸する船を多くの住民が見送った=赤崎町

 鎌田水産所有の5隻が出港

 

 さかなグルメのまち大船渡地域振興委員会(委員長・戸田公明大船渡市長)、さかなグルメのまち大船渡実行委員会(及川廣章代表)主催の「さんま船出船式」は17日、大船渡市赤崎町の蛸ノ浦漁港で開かれた。20日に解禁となる大型船のサンマ漁へ向けて、同町の鎌田水産㈱(鎌田仁社長)が所有する大型サンマ船の乗組員を関係者や家族、地域住民らが激励した。
 これまでは乗組員関係者を主体に開催されていたが、今年は子どもも含めて広く市民が参加し、航海の安全と大漁を祈願しようと両委員会が主催。
 鎌田水産では今年、これまでの4隻に加えて新たに「第十一三笠丸」も建造。計5隻体制での出漁となり、大船渡市魚市場への水揚げ増強にも大きな期待がかかる。
 出船式には乗組員や家族、同社社員、地域住民ら合わせて約500人が参加。
 戸田市長は「水産のまち大船渡の知名度を向上させ、観光を推進することが地域振興の大きな力になる」としながら、漁の安全と大漁へ期待を込めた。
 同社の鎌田和昭会長は「今年はサンマは期待できないとささやかれているが、漁場にサンマが見えているという話もあり、いくらかは幸先がよいのではないか」と豊漁を願いながら、「12月に終漁するまで、病気やケガをしないことを祈る」とあいさつ。
 第八三笠丸の清枝光臣漁労長は「国内大型船約60隻のなかの水揚げ量上位を目指して、全身全霊を尽くす所存」と決意表明した。
 各船の漁労長には大船渡海洋少年団の子どもたちから花束が贈られ、大城バネサさんも唄で乗組員へエールを送った。
 盛大に餅まきを行ったあと、5隻はいったん離岸。岸壁には多くの地域住民が集まって乗組員らを激励した。
 清枝漁労長は「昨年より厳しいのではないかと思うが、頑張るしかない」と、鎌田会長は「昨年並みの漁であればと願っている」と話していた。
 この日は台風の影響もあり、正午の出港は延期。各船天候状況をみながら順次出港していった。今後は北海道へ向かい、漁解禁後はロシア海域で操業する。大船渡への初水揚げは26日ごろまでに行われる予定。