文化祭シーズン到来、気仙2高校で一般公開(別写真あり)

▲ 内容を大幅に見直し、どのコーナーも来場者であふれた=大船渡高校

企画内容刷新し、きょうまで開催/大船渡高

 

 県立大船渡高校(高橋正紀校長、全日制553人・定時制20人)の文化祭「大高祭」は27日、2日間の日程で開幕した。初日は午前11時から一般公開され、地域住民や保護者、他校の高校生、小中学生ら来場者でにぎわった。
 今年のテーマは「大高の夏、最高の夏!」。これまで行ってきた食堂をやめるなど、企画内容を大幅にリニューアルした。生徒たちは、2カ月ほど前から企画を練り始めるなど、生徒会を中心に一丸となって取り組んできた。
 校内では茶道部がお茶を振る舞ったほか、演劇部、音楽部、吹奏楽部による発表や、美術部による絵画制作が行われた。また各クラスで縁日、映画の上映会、古本市などがにぎにぎしく行われ、校内は活気にあふれていた。
 さらに職場訪問や地域の風土、歴史をフィールドワークで学ぶ「大船渡学」など、同校が進めているキャリア教育の成果発表などが展示された。
 2年4、5組が合同で開いた縁日には、ヨーヨーすくいや射的が登場したほか、生徒が作ったストラップが店先に並んだ。ストラップは30~40個を用意したが、初日で既に半分以上が売れたという。
 ストラップを売っていた佐藤なる美さん(2年)は「(大高祭の)仕組み自体が変わったので、自由にできて楽しい」と笑顔を見せていた。
 第1、2体育館ではそれぞれ、音楽ライブと屋台が開かれ、いずれも客足が途切れることがない盛況ぶりを見せていた。

 

笑顔と活気あふれる一日に/高田高

 

海洋システム科の缶詰が当たるとあって、多くの参加者でにぎわうPTAのもちまき=高田高校

海洋システム科の缶詰が当たるとあって、多くの参加者でにぎわうPTAのもちまき=高田高校

 26日から開幕した県立高田高校(菅野慎一校長、生徒501人)の文化祭「高高祭」の一般公開も27日、陸前高田市高田町の同校で行われた。あいにくの天気にもかかわらず多くの市民らが足を運び、2回目となる新校舎での文化祭も笑顔と活気にあふれたものとなった。
 東日本大震災による津波で校舎が全壊し、大船渡市立根町の仮校舎を経て地元に再建された新校舎に戻ってきた生徒たち。今年は「Full of smile」をスローガンに掲げ、「生徒も地域の方も楽しめて笑顔あふれる高高祭に」との思いを込めて準備を進めてきた。
 校内では、2、3年生の各クラスがお化け屋敷や実験教室、復興・防災学習の展示、各種模擬店といったパビリオン(展示館)を実施。部活動や同好会、委員会は、普段の活動を生かしたイベントを各所で展開した。
 体育館では文化部の発表とPTA企画が行われ、書道部と吹奏楽部が圧巻のパフォーマンスと演奏を披露した。PTAのもちまきには多くの来場者や生徒が参加し、歓声を上げてステージ上から投げられたもちをキャッチ。もちの中には〝当たり〟が含まれており、運よく当たりをつかんだ人には、同校海洋システム科の生徒たちが作った缶詰がプレゼントされた。
 また、昨年に引き続き、スターバックスとキヤノン、松下政経塾による復興支援プロジェクト「道のカフェ」も特別出店。同校の母親委員会とコラボした「道のカフェin高高祭with MAMABUCKS」として人気を集め、スターバックスのスタッフたちからコーヒーの作り方などを教わった生徒や委員たちが来場者に憩いのひとときを提供した。
 例年より準備期間が短かった中で、スローガンが達成できるよう全校一丸となって取り組んできたという今年の高高祭。三浦寿希哉生徒会長(2年)は、「かなり盛り上がっていて、スローガンの通りにみんな楽しんでいるようだ」と述べ、「高高祭は年間行事の中で唯一地域の人と直接かかわれる日。今後もこういう機会を大切にしてほしい」と後輩たちに思いを託していた。