特産の菜種油が完成、「恵山ブランド」今年も/住田町(別写真あり)

▲ 住民が丁寧にラベルを貼り付け=上有住

 住田町上有住恵山地区の住民組織「花と香りの里・恵山」(佐々木義夫会長)は2日、7月に収穫した菜種を原料とした食用油瓶製品のラベル貼り作業を地区内で行った。毎年、色の鮮やかさなどが好評を博し、住田を代表する特産品の一つとして定着。黄金の輝きを囲んだ住民たちは、心を込めながら一本ずつ向き合い、今年も無事に完成した喜びを分かち合った。

 

透き通る黄金の輝き

 

 同組織は平成14年に結成。耕作放棄地の解消や作業を通じたコミュニティー形成、世代間交流の促進などを見据え、毎年住民有志が地道な生産を続ける。沿線道路の環境美化に加え、収穫する菜種油は町の特産品として高評価を集めるといった波及効果もある。
 菜の花畑は有住保育園北側の国道340号線沿いに位置し、かつては水田だった0・9㌶で栽培。昨年9月に種まきを行った。
 5月の大型連休前後に見ごろとなり、地元の有住保育園児が黄色に染まった畑内を駆け回りながら花遊びを満喫。町外からの見学も多く、今年もにぎわいに包まれた。
 種は7月13日に収穫。量は975㌔に達し、昨年を約140㌔上回った。1カ月程度乾燥させたあと、一関市大東町の㈱デクノボンズに油製造を委託し、瓶詰めされて〝里帰り〟を果たした。
 この日は住民15人が集い、菜の花畑をバックにした商品名ラベルと原材料情報などが記されたラベルをそれぞれ、大きさが異なる3種類の瓶計600本に貼り付けた。住民たちは一本ずつ、高さや傾きなどに気を配りながら手を動かした。
 女性住民から「けんちん汁がいちばん」「バターの代わりにトーストに付けている人もいる」「天ぷらの衣がきれいな黄色になる」「酸化しにくいから、いろいろな用途に使える」といった声が飛び交い、活用談義が盛り上がる一幕も。黄金の輝きを囲み、なごやかなひとときを過ごしていた。
 佐々木会長(77)は「今年は花がきれいだったが、油の色もまずまずの仕上がり。この作業まで来ると、やはりホッとするね」と話し、笑顔を見せた。
 140㌘入りは300円、330㌘は600円、820㌘は1500円で販売予定。赤羽根直売所や道の駅・ぽらんに並ぶほか、10月30日(日)に行われるすみた産業まつりなどで販売する。