支援への動き広がる、台風10号の被災地に向け/気仙各地で

▲ 救助活動への貢献を誓う小野田消防司令補(中央)=大船渡消防署

職員13人を現地に派遣/消防本部

 

 大船渡地区消防組合消防本部(村上芳春消防長)と陸前高田市消防本部(佐々木誠消防長)は4日、台風10号の暴風雨により大きな被害を被った岩泉町などを支援するため、消防職員計13人を派遣した。職員らは、ライフラインの断絶で孤立状態になっている地域などへ向かい、救助活動に尽力している。
 職員の派遣は、県内の消防相互応援に関する協定に基づくもの。すでに内陸などから1、2次派遣の消防職員が被災地に向かっており、大船渡、陸前高田、釜石各市の消防本部は、3日に3次派遣の要請を受けた。
 4日は、大船渡市盛町の大船渡消防署で派遣職員7人の出発式が行われ、同組合の村上消防長や橋本洋治次長らが出席した。
 式では、村上消防長が「被災地では今、我々を必要としている人たちがいる。その期待に応えるため、安全確保に万全を期して全力でことにあたってほしい」とあいさつ。派遣隊長の小野田利文消防司令補は、声高らかに出発を申告した。
 同日は、陸前高田市消防署からも職員6人が被災地に向け出発した。
 3次派遣の期間は6日まで。職員らはポンプ車や積載車などで各地を回り、住民の安否確認や交通整備などの支援にあたっている。

 

現地の活動に役立てたい/おはなしころりん

 

赤崎復興市で募金への協力を呼びかけ=赤崎町

赤崎復興市で募金への協力を呼びかけ=赤崎町

 大船渡市のNPO法人おはなしころりん(江刺由紀子理事長)は4日、「岩泉応援募金」を始めた。寄せられた厚意は岩泉町に在住する江刺理事長の友人へ直接届け、現地での支援活動に役立ててもらう。
 江刺理事長の友人は、岩泉で読書推進活動を展開。被災後は、現地での緊急支援に当たっているという。この話を聞き、「何か応援をしたい」と募金活動を行うこととなった。
 初日は、赤崎復興市で募金への協力を呼びかけ。江刺理事長は「昨年、岩泉を訪れたが、優しい方々ばかりで緑豊かな地だった。そこに住む方々が思うような支援活動をできるよう、自由に使える資金として贈りたい」と話している。
 募金箱は盛町のおはなしサロンに設け、午前10時から午後4時まで受け付け。おはなしころりんの活動の場でも協力を呼びかける。期間は未定だが、まとまった金額になり次第、江刺理事長が現地へ届けるという。
 問い合わせは、江刺理事長(℡080・6027・7321)へ。

 

「緊急募金活動に協力を」/桜ライン

 

 陸前高田市高田町の認定NPO法人・桜ライン311(岡本翔馬代表)は2日、台風10号で大きな被害を受けた岩泉町に対する緊急募金活動を開始した。市内の各事業所に募金箱を設置しているほか、専用口座を設けて義援金を募っており、広く協力を呼び掛けている。
 この活動は「同じように災害に苦しんでいる方々に対し、少しでも支援をしたい」との考えで実施。期間は10月3日(月)までだが、被害の状況により延長する場合がある。
 義援金は一定期間ごとに取りまとめる。被災地の受け入れ体制が整い次第送金先を確定させる予定で、現段階では岩泉町役場を候補に挙げている。
 募金箱が置かれているのは、高田大隅つどいの丘商店街にある同法人の事務所など。そのほかの設置場所や振込先は、同法人ホームページ(http://www.sakura-line311.org/)で確認を。
 問い合わせは同法人の担当・佐々木さん(℡47・3399)へ。