「もっと当事者意識を」、三木・ランバー問題で町長/住田町議会

▲ 2日目の一般質問には4議員が登壇=住田町

一般質問2日目

 

 住田町議会9月定例会は9日、前日に続き通告に基づく一般質問が行われ、佐々木信一(無所属)佐々木春一(日本共産党)阿部祐一(無所属)佐々木初雄(同)の4議員が登壇した。この日も早期利益確保が望まれる三陸木材高次加工協同組合(三木)や協同組合さんりくランバー(ランバー)問題で論戦。両事業体が今後策定する経営計画について多田欣一町長は、理事者がより主体的に改善の方向性を掲げるべきとの認識を示した。
 この問題は、佐々木信、阿部、佐々木初の3議員が取り上げた。佐々木信議員は、両事業体合わせて7・9億円に及ぶ町への償還見通しを質し、千葉純也林政課長は「今後策定する経営計画の中には、償還の見通しも含まれると見込まれる。まずその計画をつくることが必要」と述べた。
 平成26年度から年間約3100万円ずつの返済が求められている中、これまでの償還金総額は470万円余りにとどまる。同議員は計画策定時期も追及し、千葉課長は「(意見交換会が開催された7月から)3~6カ月は事業体の動向を注視しないと現実的なものは立てにくいと聞いている」と答弁した。
 阿部議員は経営計画について「町の顧問弁護士がきちんと入り、町当局や外部からの厳しい視点も入れてつくるべき。退路を絶つ覚悟で臨まなければならない」とし、町に厳しい姿勢を求めた。これに対して多田欣一町長は「町や議会側からではなく、理事者の方から『こう改善し、こう返済するんだ』というものを示すべき。理事者にもっと当事者意識を持ってもらうことが大事であり、そうなるよう振り向けていきたい」と語った。
 これに先立ち、同議員は7月に行われた町議や理事者、当局による意見交換会について「借りたお金は返す、2事業体をどう存続させるのかという認識では、旧経営陣にかなりの温度差を感じた」と指摘。多田町長は同調した一方で「議会側が真剣に早期償還や経営安定化に向けて考えている姿勢が伝わり、理事者側ももっと団結しなければという認識に立てたのでは」と成果を振り返った。
 佐々木初議員はこの問題に加え、スポーツ施設の充実も質問。「町にはいつでもできる十分な広さのグラウンドゴルフ場がないことから、整備充実を図るべき」とし、当局見解を求めた。
 多田茂教育委員長は町グラウンドゴルフ協会の会員は約130人で、運動公園野球場やふれあい広場、アリスパークなどで行っている現状を説明。専用場の整備に関しては「現時点では整備の計画はない」と答弁した一方、手軽に健康増進を図ることができるとし、次期教育振興基本計画の中で生涯スポーツや社会体育振興の観点から総合的に充実を目指す方針も掲げた。
 また、菊池宏教育長は教育活動に支障をきたさない範囲で、学校グラウンドも利用できると説明。他の施設でもさまざまな種目が楽しめる汎用性を重視している現状に理解を求めたうえで、各競技団体からの要望をふまえた体育施設充実化を進める考えを示した。
 佐々木春議員は、農業振興の中で遊休農地対策を取り上げた。農地所有者に対して、農地中間管理機構と協議すべきと勧告した農業振興地域内の遊休農地は固定資産税が課税強化される方針が示された中「耕作放棄地の解消や非農地への変更を検討すべき」と迫り、町内の現状を質した。
 横澤則子農業委員会事務局長(農政課長)は「遊休農地は約60㌶ととらえているが2割程度は林地化している。再生不能地は20年以上耕作されていないことなどが基準となっている中、各農業委員と確認しながら進めたい」と答えた。
 一般質問終了後は報告2件と本年度各補正予算の専決処分承認5件を確認。認定案件である27年度の一般会計と、国民健康保険、簡易水道事業、下水道事業、介護保険、後期高齢者医療の各特別会計決算審議は決算審査特別委員会(議長を除く全11議員で構成、委員長・瀧本正德議員)に付託された。