気仙勢 大舞台で飛躍を、9競技に15選手・監督出場/希望郷いわて国体

▲ 本番を目前に控え、熱のこもった練習に取り組む冨澤選手=大船渡市民体育館

 希望郷いわて国体は10月1日、北上市総合運動公園で総合開会式が開かれ、11日間の日程で37競技(特別競技・高校野球含む)が県内各地で繰り広げられる。気仙からは9競技に15選手・監督(出身者含む)が出場する。日本一を目指し行ってきた選手たちの練習も大会開幕を目の前に大詰め。震災から復興へ力強く歩む気仙の代表として各競技での活躍に大きな期待がかかる。

 

日本一目指し練習大詰め、1日から県内各地で熱戦

 

 本県での国体開催は昭和45年以来46年ぶり2回目。本県の選手・監督は先行開催した水泳競技を除き合わせて856人で、うち気仙地区は出身者を含み15人。県代表として臨む気仙勢の健闘も注目が集まる。
 空手道少年男子(10月8~10日、盛岡市)の形個人戦には、大船渡市三陸町越喜来の冨澤拳真選手(大船渡高3年)が出場する。
 小学1年から大船渡市の空手スポ少・大空塾に通い心身を鍛えてきた冨澤選手。技のキレや速さ、力強さなどを審査する「形」の部では、高校1年時から県内でトップクラスの成績を収めてきた。
 全国高総体(インターハイ)には3年連続で出場するなど大舞台の経験も豊富で、今年8月の東北総合体育大会(ミニ国)ではこれまで一度も勝てなかった相手を決勝で下し自信をつけた。指導者も「3年生となり体も一回り大きくなり、力強さとスピードがついた。国体でも十分上位を狙える」と太鼓判を押す。
 冨澤選手は「高校生活最後の大会となる。一つ一つ練習してきたことをきっちり出し切り、悔いの残らない大会としたい」と気を引き締める。
 ソフトボール成年男子(10月2~4日、花巻市)には大船渡市の佐藤章貴選手(26、大船渡市役所)と、陸前高田市出身の木村丈治選手(22、全農岩手県本部)がメンバー入り。
 木村選手は高田高まで野球に打ち込み、ソフトボールを始めたのは、仙台大2年のころ。昨年は紀の国わかやま国体に学生ながら初出場した。
 大学卒業後の今春、社会人チームの岩手ソフトボールクラブに入り、以降はほぼ毎週末全国に遠征。国体に向けたチーム強化により、これまで勝ち抜けなかった東北規模の大会でも優勝するほどの実力をつけた。
 初戦の相手は、わかやま国体の初戦で当たり大敗を喫した栃木県。元日本代表の投手を擁する強豪だが、リベンジを果たし上位に食い込みたいところだ。
 高校2年の時に震災に遭った木村選手は「今スポーツできるのは多くの支えのおかげ。プレッシャーはあるが、陸前高田出身者として被災地に少しでも元気や勇気を与えられるプレーができれば」と誓う。
 気仙からの出場者次の通り。
 【バレーボール】
 ◆成年女子▽選手=佐々木美月(新潟医療福祉大3年、高田高卒)佐藤梨衣(東北福祉大3年、同)
 ◆少年女子▽選手=佐々木遥香(盛岡誠桜高3年、大船渡一中卒)高橋真由(同2年、同)阿部愛梨(同3年、横田中卒)
 【バスケットボール】
 ◆成年女子▽選手=菅野遥華(岩手大2年、末崎中―宮城県・聖和学園高卒)
 【卓球】
 ◆成年男子▽監督=新沼興隆(大船渡市卓球協会長)
 【ソフトテニス】
 ◆少年女子▽監督=川口倫(高田高教諭)
 【ソフトボール】
 ◆成年男子▽選手=佐藤章貴(大船渡市役所)木村丈治(全農岩手県本部、広田中―高田高―仙台大卒)
 【バドミントン】
 ◆少年女子▽選手=金野夕香(花北青雲高3年、赤崎中卒)
 【ラグビー】
 ◆女子▽選手=熊谷侑希(さんりくWELLNESS、末崎中―大船渡高―日本女子体大卒)
 ◆少年男子▽選手=川内健輔(黒沢尻北高3年、大船渡一中卒)
 【空手道】
 ◆少年男子▽選手=冨澤拳真(大船渡高3年)
 【トライアスロン】
 ◆成年男子▽選手=寺澤光介(SUNNYFISH、末崎中―盛岡南高―日本体育大卒)