希望郷いわて国体開幕/北上で総合開会式、県勢859人士気高く(別写真あり)

▲ 岩手県選手団も堂々の入場。横断幕を掲げて震災支援への感謝も伝えた=北上総合運動公園陸上競技場

 東日本大震災復興の架け橋第71回国民体育大会「希望郷いわて国体」が1日、開幕し、北上市の北上総合運動公園北上陸上競技場で総合開会式が行われた。本県で国体が開かれるのは、昭和45年以来46年ぶり。11日(火)までの11日間、県内各会場で陸上競技など正式競技と、特別競技の高校野球合わせて37競技が行われる。今大会には県勢859人を含め、全国から選手や監督ら合わせて約2万2000人以上が参加。式典前演技には大船渡、大船渡東の高校生らも出演して復興へ向かう姿を発信し、選手、監督、役員含めた本県選手団も士気高く堂々の行進を披露した。

 

全国から2万2000人、11日まで各地で熱戦/46年ぶり開幕

 

 開会式では、午前11時からオープニングイベントが行われ、県民らが「わんこdeダンス」や郷土芸能などのパフォーマンスを披露。
 このあとの式典前演技では「希望の郷土(さと)から、ありがとう」と題した演出が催され、県内小学生、特別支援学校学生、高校生、芸能団体などがそれぞれ出演。気仙からは大船渡高校と大船渡東高校の生徒合わせて約300人が参加した。
 午後からは天皇、皇后両陛下がご臨席され、全国の選手らによる入場行進が行われた。47番目の入場となった本県選手団は、旗手の佐藤翔さん(ボート競技成年男子)を先頭に、「多くのご支援ありがとうございます」と書かれた横断幕も持ちながら堂々とした行進をみせた。
 東日本大震災など、自然災害の犠牲者へ全員で黙とうをささげたあとは国旗、日本体協旗、大会旗、県旗、北上市旗を掲揚。
 天皇杯、皇后杯返還に続き、大会長の張富士夫日本体育協会長が「大会が震災からの復興シンボルとなり、夢と希望を与える架け橋となることを願っています。日ごろ鍛えた技を存分に発揮されるとともに、交流の輪を広げて実り多い大会に」とあいさつ。
 松野博一文部科学大臣も「この大会が全国と被災地の架け橋となり、いつまでも思い出に残ることを期待します」と大会成功へと期待を込めた。
 炬火入場・点火のあと、選手を代表して髙橋英輝さん(陸上競技青年男子)と小沢みさきさん(ホッケー競技青年女子)が「スローガンのもと、磨き上げてきた心、技、力を存分に発揮し、岩手からスポーツの魅力を伝え、勇気と感動と元気を届けるべく、最後まで力いっぱい競技することを誓います」と高らかに宣誓。
 エンディングイベントのミニコンサートでは、大船渡市出身の新沼謙治さんと陸前高田市出身の千昌夫さんも歌声を披露した。
 同日は奥州市の江刺中央体育館でウエイトリフティング競技を実施。2日からはこのほかの競技も順次行われていく。
 今回、県体協では、男女総合成績の目標を8位以内、1550点以上としている。冬季大会終了時点での成績は天皇杯(男女総合)が178点で4位、皇后杯(女子総合)が61点で8位。いずれも前回から順位を上げており、本県選手団の活躍に注目が集まる。


16日まで国体写真展開催/盛岡市で

 

 希望郷いわて国体・希望郷いわて大会実行委員会事務局では16日(日)まで、盛岡市のいわて県民情報交流センターで「希望郷いわて復興写真館~感謝を込めて、復興の今を伝えたい~」と「全国スポーツ写真展」を開催している。
 いわて国体・いわて大会の文化プログラム事業の一環で、▽復興の歩み▽暮らしの再建▽支援に感謝▽安全の確保▽なりわいの再生などの写真を展示。
 時間は午前11時から午後7時まで。