国体デモスポ2競技なごやかに、秋晴れに希望の笑顔(動画、別写真あり)

▲ 青空と緑色が鮮やかな芝の中で競技を楽しむ選手たち=住田町

 

 希望郷いわて国体デモンストレーションスポーツ競技のクッブとウオーキングは2日、住田町と大船渡市でそれぞれ行われた。運営や歓迎充実に向けて準備を重ねた両市町関係者の願いが通じたかのような晴天に恵まれ、地元内外から愛好者が集結。屋外でさわやかな汗を流し、交流を深めた。

 

木にふれながら楽しく
住田のクッブに54チーム参加

 

 クッブの会場は、外野に鮮やかな緑色の芝が広がる世田米の運動公園野球場。開会式は、選手や大会を支える実行委メンバーら約750人が集結した。
 住田町の実行委会長を務める多田欣一町長は「日本でこれだけ大きなクッブの大会は初めて。ギネスに登録したい」と笑いを誘いながらあいさつ。出場54チーム、選手約460人を代表して天嶽青年TDL(住田町)の皆川優美選手(21)が「和気あいあいと、競技を楽しむことを誓います」と宣誓し、熱戦と交流の幕が開けた。
 スウェーデン生まれのクッブは木材を利用した的当てゲームで、1チーム6人で行う団体戦。バトンに似た丸棒を、相手陣地内にある木の的に狙って投げる。9チームによる小学生以下のジュニア、45チームによる一般とも、3チームごとに総当たり戦を実施。昼食休憩を挟み、順位別のトーナメント・リーグ戦が行われた。
 地域や職場、同じ趣味を持つ仲間などチーム編成は多彩。気仙在住者が半数以上を占めたが、東日本大震災以降継続的に支援活動で訪れる愛知県豊田市のトヨタグループや東京・霞が関で勤務する林野庁職員、町が協定を結ぶ山梨県丹波山村や愛知県幸田町などからも参加があった。
 初心者でもすぐにルールを覚えて楽しめる半面、芝の上で跳ねて気まぐれな動きを見せる丸棒が息詰まる接戦を演出。準決勝までに敗れた選手がコートを囲み、国体らしい熱気に包まれた1位グループの決勝戦では、天嶽体育協会(住田町)が曙公民館(同)を下した。日本一に輝いた天嶽体協の深野昇さん(59)は「楽しんだことと無欲だったのが勝因」と笑顔を見せた。
 競技で用いられた木材は、町内産のカラマツを加工。入賞チームに贈られたチェーンソーアート、表彰台はすべて木製で、大会を通じて「森林・林業のまち」を発信した。グラウンドでは各種物産品や特製弁当の販売に加え、町婦人団体連絡協議会などによる軽食提供もあり、好評を博した。