アンテナショップ29日開店、綾里漁協が旬の海産物供給/花巻市に「りょうり丸」

▲ 12日の打ち合わせでは、店舗運営に関する意見が多く寄せられた=三陸町綾里

 大船渡市三陸町の綾里漁業協同組合(佐々木靖男代表理事組合長)のアンテナショップ「りょうり丸」が29日(土)、花巻市内にオープンする。同市の会社が運営主体となり、同漁協が供給する新鮮な魚やワカメ、ホタテ、ホヤ、加工品などを販売するほか、これら海産物をふんだんに使った食事も提供する。オープン当日は、餅まきや余興など、さまざまなイベントを行い、「綾里の生産者と内陸消費者を結ぶ」新しい店舗の船出を祝う。

 

生産者と消費者結ぶ拠点に

 

 アンテナショップがオープンするのは、花巻市西宮野目地内の花巻観光物産館「金婚亭」敷地内。JR新花巻駅から車で5分、釜石自動車道花巻空港インター、いわて花巻空港から同3分という好立地に店を構える。
 運営主体は花巻市の㈱あやかぜ(佐藤寛志代表取締役社長)。同漁協は、海産物や加工品の供給・PRなどを担う。
 12日には出店にかかわる打ち合わせが同漁協で行われ、アンテナショップ運営に関する全体的な話し合いが行われた。
 海産物は鮮魚、塩蔵ボイルワカメ、早採りワカメ、ホタテ、ホヤなど。それぞれの旬に応じて食べごろを迎えているものを販売していく。加工品としては塩ウニなどを検討している。
 店内では、綾里の海産物をメーンに使った食事を提供するほか、定期的にイベントも行うという。
 オープン当日の29日は、餅やワカメまきのほか、余興を披露したり料理を振る舞うなど、さまざまな催しを行う。イベントの詳細は今後の打ち合わせで煮詰めていく。
 同漁協では平成15年から消費者への水産物の直送を行っており、16年に「早採りわかめ」を、20年に「恋し浜」を商標登録するなど、さまざまな活動を行ってきた。
 東日本大震災では、ホタテやワカメを通して綾里を知っていた人々がボランティアとして訪れた。ダイバーたちはNPO法人三陸ボランティアダイバーズを組織し、同漁協とともに海底に沈んだガレキの撤去に力を尽くした。
 あやかぜの佐藤社長は同NPO法人でも活動しており、アンテナショップの立ち上げは、同漁協とダイバーがさまざまな活動を通して築いてきた信頼関係の結果ともいえそう。
 同漁協では27年、生産者と消費者をつなぐ情報誌「綾里漁協食べる通信」を創刊。綾里自慢の海の幸を付録に、漁業の魅力を伝えており、アンテナショップにも「綾里の漁業者と内陸や他県の消費者を結びつける」存在として期待が寄せられている。