民泊受け入れ家庭に〝特典〟、市内の商業者ら協力しクーポン券/陸前高田(別写真あり)
平成28年10月18日付 1面

陸前高田市が同市の一般社団法人マルゴト陸前高田(大久保光男代表理事)に委託する民泊事業において、宿泊者の受け入れ家庭に対しクーポン券が配られることになった。市内複数の事業所で利用でき、特別価格でサービスが受けられたり、商品を値引きしてもらえたりする。クーポン券は15日に行われた民泊受け入れ事前研修会で各家庭に配布。同法人は「地元でお金を回し、地域経済を少しでも潤してほしい」としている。
「地元の経済を潤して」
同市へは今月25~27日に、県外二つの高校から合計約340人の修学旅行生が訪れることが決まっている。本年度から実施されている民泊事業だが、今回がこれまでで最大規模。受け入れ家庭には生徒の人数に応じて体験指導料が支払われ、その総額は本年度だけで約500万円、来年度はおよそ1000万円になる見通しだという。
この収入を市内で循環させ、復興の一助とすることを狙いに、陸前高田市商工会(伊東孝理事長)や市商工観光課、市内の事業者などがクーポンの発行に協力。事業予算がついているわけではなく、店側の厚意でサービス内容が決まっているという。
一例を挙げると、商品購入時の割引のほか、飲食店でのカラオケ2時間無料やファーストドリンク無料、エステ体験など、受け入れ家庭の人が後日楽しめるようにと工夫されている。中には「宿泊する生徒の人数分、自社商品を提供」という事業所もある。
事前研修会では商工観光課の村上幸司課長が「これまで生徒たちを受け入れたご家庭からは『楽しかった』という声が寄せられているところ。この成功が今後の受け入れ拡大につながると考えているので、なにとぞご協力を」とあいさつ。
続いて同法人の伊藤雅人さんがクーポンについて説明。「商工会や地元商店、産直などの協力があって実現した。民泊受け入れによって動く大きなお金を地元で使ってもらい、経済効果を生むとともに交流人口拡大を図れれば」と呼びかけた。
伊藤さんは「われわれもまだ手探りでやっているところ。皆さんのほうから『こういうサービスを受けられると便利』『こういうクーポンなら使いやすい』といったご意見をいただけたら、それを反映させ、より良い形にしていきたい」と話していた。