基本計画案へ意見求める、地区公民館長とPTA会長/大船渡市
平成28年10月27日付 1面
小・中学校適正規模などで
大船渡市立小・中学校適正規模・適正配置にかかる懇談会はこのほど、市役所で開かれた。市内の地区公民館長と小中学校PTA会長を対象にそれぞれ行われ、市教育委員会が平成28年度の策定を計画する「市立小・中学校適正規模・適正配置基本計画」の素案を説明。出席者らにそれぞれの立場から意見を求めた。
同基本計画は、昨年12月に取りまとめた小・中学校適正規模等基本方針に基づき、内容をより具体化し、適正規模化の取り組みを実践的に進めるためのもの。期間は、29年度から38年度までの10年間を展望している。
計画案では、学校の規模や適正化を図るべき対象校について、小学校、中学校ともに、児童生徒数の増減率や校舎の建築経過年数といった一定の判断基準をもとに選定。たたき台となる統合のパターンも提案している。
懇談会は、いずれも冒頭を除いて非公開で実施。終了後に行った市教委の説明によると、事務局側が計画案の内容を説明し、出席者から意見を求めたという。
地区公民館長との懇談会には、9地区の館長が出席。全体的な計画案には反対、異議を唱える声はなく、「統合推進はやむを得ない」との意向が示された。
出席者からは「小中一貫教育を導入して統合を回避できないか」「できるだけ近場の学校間での統合が望ましい」「統合を提案された学校のほか、地元との協議を必要としているところがあるが、具体的な校名を示してほしい」との提案や要望が上がった。
「近場同士で統合しても、小規模校のままの学校もある。思い切って一挙にまとまることも考えた方がいいのでは」「世の中がグローバル化する中、視野を広げて競争心を高めることも大事。統合をすべき」「説明を受け、統合が切実な問題と受け止めた。子どもたちのことを考えると前に進むしかない」などの意見も出された。
PTA会長との懇談会には、14人が出席。計画案で示した統合に対する考え方については、支持する声がほとんどだったという。
ただし、「統合に反対とはいわないが、現状(小規模校)のままでいいという声も聞く」「部活の選択肢が広がり、教員配置が充実するなどと考えると、個人的には統合は大賛成。ただし、地域の方々がどう考えているかは不透明」と、周囲の保護者や地域住民の反応に憂慮する意見もあった。
また、少子化が進む中、計画案が展望する10年より先にも統合が必要になるのではとの指摘も。「PTA会長でありながら、少子化を深く考えていなかった。少子化の深刻さに驚いている」との率直な声も寄せられた。
市教委では、11月中に庁内に設置する基本計画策定委員会と団体代表や保護者、学識経験者らからなる適正規模等検討委員会の開催を予定。懇談会で寄せられた意見も踏まえ、計画案の議論を進める。
計画案は年内までにまとめ、広報などで公表する計画。年明けにはパブリックコメントを行い、市議会への説明を経て年度中の策定を目指したいとしている。