木工と芸術の逸品ズラリ、住田町・文化産業まつり開幕/あすまで(別写真あり)
平成28年10月29日付 7面
第44回「住田町文化産業まつり」は28日、世田米の社会体育館や農林会館などで開幕した。社会体育館では町児童・生徒木工工作フェスティバルの出品作品が一堂に展示されているほか、住民の文化活動の成果がズラリと並び、初日から多くの住民が鑑賞に訪れた。産業まつりなど30日まで多彩な企画となっており、主催者側では多くの来場を呼びかけている。
文化産業まつりは、町の芸術文化や農林商工業の振興などを目的とした住田の秋を彩る一大イベント。文化芸術を発信する「展示部門」と「ステージ部門」、地元産を中心とした逸品などが並ぶ30日の「産業まつり」で構成している。
展示部門会場となっている社会体育館のアリーナには、1863点の作品が集結。このうち町教委によるフェスティバルには本年度、小中学生合わせて254点が寄せられた。
出品時は木材や林産物を材料とし、塗料などを施さないことが条件。木そのものの温もりにあふれ、独創性やファンタジー、木の良さを生かした活用、デザイン・機能性など「住田っ子」の創作力の高さを実感できる。
本年度最優秀賞に輝いたのは、世田米小4年の小野田朝日さんによる「夏の朝の朝顔」。つるやつぼみ、花弁などを巧みに表現し、審査時には高評価が相次いだ。
このほか、小中学生や住田高校生が学校生活で取り組んだ芸術作品の展示も。一般住民による工芸品や手芸、福祉施設利用者による手づくり品の紹介コーナーもあり、訪れた住民はじっくりと回りながら、芸術の秋を満喫していた。
生け花展は役場庁舎交流プラザで開催。さらに庁舎町民ホールでは「登米伊達黎明展」「御所湖川村美術館移動美術展」が始まり、行政拠点にも文化の薫りが広がる。
黎明展では、伊達家の家宝である掛け軸、書によって日本の伝統美や技巧の素晴らしさを堪能でき、美術展では東ヨーロッパで脚光を浴びる芸術家の現代絵画作品約20点が展示されている。
農林会館でのステージ部門のうち、29日午後1時30分からは、元県立博物館長の金野靜一氏が「栗木鉄山跡の国指定を目指す住田町と気仙地域の関わり」と題して講演。30日は午前10時から芸能まつりが開幕し、舞台芸術や郷土芸能が一堂に披露される。
農林会館前の屋外を中心とした産業まつりは30日午前9時から午後3時まで。飲食、産直、物販、軽トラ・キッチンカーの各コーナーを設け、地元産の青果や加工食品、菓子などを販売。気仙スギまつりも開かれ、各種体験コーナーが設けられる。
あす、産業まつりで限定食販売も
住田町食いくプロジェクト推進委員会は、30日(日)に農林会館前などで開かれる産業まつりで「すみたっ子給食レストラン」を開催する。子どもたちに人気の給食メニューを限定80食、1食300円で販売する。
当日のメニューは▽すみっ米バンズ▽すみチキ▽キャベツとりんごのコールスロー▽実りの秋のミネストローネ――などを予定。食券販売は午前10時から、開店は11時からとなる。
会場ではさらに、同プロジェクトと地元スーパーの八兆屋による「すみっこおむすび弁当」も限定30食、300円で販売。新米の塩むすび、鶏ハラミむすび、すみチキ、卵焼き、漬物をまとめたもので、住田産食材の魅力を発信する。