津波防災拠点施設等URに業務委託、30年3月の完成目指す/大船渡

▲ 臨時会で工事などの業務委託契約の締結が可決された津波防災拠点施設の完成予想模型

 大船渡市議会臨時会は28日、議員全員が出席して開かれた。専決処分の報告3件、議案5件を審議し、いずれも原案通り承認、可決。議案のうち、大船渡町の大船渡地区津波復興拠点整備事業における津波防災拠点施設等の工事といった業務にかかる委託契約は、独立行政法人都市再生機構(UR)岩手震災復興支援本部と締結するもので、契約金額は19億8882万円。工期は平成30年3月20日までとなっている。

 

茶屋前地内に整備
市議会臨時会で可決

 

 津波防災拠点施設は、大船渡町茶屋前地内の津波復興拠点整備事業区域内に整備。市がURに同施設の建築、電気設備、機械設備、土木、造園の各種工事を委託するもので、随意契約となる。
 同施設は鉄筋コンクリート造3階建てで、室内の総床面積は1842平方㍍。1階は観光交流施設部(事務室、エントランスホールなど)や廃棄物保管庫、倉庫などを配する。
 2階には、事務室、展示室、多目的室、人同士や活動を結び付ける場となるコラボストリートなどを配置。3階は備蓄倉庫などとなっており、屋上には広場を設ける。このほか、多目的広場、33台分の駐車場も整備する。市は津波襲来時の緊急避難先にも位置付けている。
 議員らは、20億円弱となる契約金額の妥当性などを質問。志田広記災害復興局長は「建物は、耐震性はもちろん、津波で漁船やコンテナが流れてきてぶつかっても支障がない、そういった非常に強固なもの。そのため、坪単価は普通の建物よりは若干高くなっている。建物全体としてはさまざまな施設を備えており、金額はきわめて妥当ととらえている」と答弁した。
 大船渡港への(仮称)共同利用コンテナ用上屋新築工事の請負契約は、㈱佐賀組と3億2724万円で締結するもの。大船渡町野々田地内に、鉄骨造平屋建て(建築面積2062・29平方㍍)のコンテナ用上屋を整備。ストックヤード(面積1094・52平方㍍)や屋外荷さばき場(同844・01平方㍍)、事務棟、駐車場を設ける。工期は来年3月31日まで。
 市防災コミュニティセンター設置管理に関する条例の一部改正では、赤崎町清水に設置する清水地域防災コミュニティーセンターを新たに追加。会議室の使用料金も定めている。
 財産取得は、県が盛町下舘下に整備した災害公営住宅(鉄筋コンクリート造7階建て、58戸、延床面積4352・57平方㍍)を買い入れるもの。取得予定価格は1億8841万円。
 買い入れ後に市営住宅となる下舘下アパートの指定管理者には、㈱寿広(盛岡市)を指定。指定期間は、今月29日から来年3月31日まで。
 報告事項は、専決処分3件。このうち、赤崎町の中赤崎地区(山口)防災集団移転住宅団地整備工事の請負変更契約は、契約金額が変更前より871万円減の3億8597万円となった。伐根処分量や法面工の植生基材の吹き付け面積が、当初の想定より少なくなったことによる。
 同町の永浜地区(その2)防災集団移転住宅団地整備工事と永浜地区道路新設工事の請負変更契約は、契約金額が変更前より999万円増の9億2260万円となった。防集団地整備は692万円、道路新設は307万円増え、いずれも技能労働者の不足を受け、労働者確保に要する宿泊費用が増額したのが大きな要因。工期も11月11日までに変更となった。
 学校施設耐震改修工事の請負変更契約は、大船渡北小学校の屋内運動場の壁面補強に当たり、鉄骨ブレース補強工としてさび止め塗装や留め具加工を追加し、外装改修材の一部を変更したことに伴うもの。変更前より76万円増の2億4376万円となった。