国道107号の早期整備を、県へ要望書を提出/ 気仙3市町と関係団体

▲ 気仙地域から東北横断自動車道に接続する道路の早期整備を県へ要望=盛岡市

 気仙3市町と関係団体、事業者は2日、盛岡市の県庁を訪れ、「気仙地域から東北横断自動車道に接続する道路の早期整備」を求める県知事あての要望書を提出した。「3市町が相互に連携し、発展するためには内陸部とを結ぶ基幹的な道路が必要」として、気仙地域と同自動車道釜石秋田線宮守インターチェンジ(IC)を結ぶ国道107号の早期整備を働きかけた。
 要望書は、気仙3市町や大船渡市議会、大船渡商工会議所、けせんロードネット女性の会など15の関係機関が連盟で作成。
 県への要望活動には、大船渡市の戸田公明市長、陸前高田市の長谷部智久副市長、住田町の横澤孝副町長、大船渡市議会の熊谷昭浩議長ら関係機関の代表者、同市職員ら16人が出席し、佐々木茂光県議も同席。県側は県土整備部の及川隆部長らが対応した。
 戸田市長は及川部長へ要望書を渡し、内容を説明。長谷部副市長、横澤副町長も気仙地域の産業、観光振興などの面から早期整備を求めた。
 気仙地域と内陸部は横断軸となる高規格幹線道路で結ばれておらず、国道107号など内陸部にアクセスする路線では急カーブや急勾配など安全・安心な通行を阻害する要因が多く残る。住民福祉の向上や地域振興を図るうえでも、幹線道路の整備は重要な課題となっている。
 大船渡市は本年度、関係機関で構成する「物流等の円滑化と活性化を図る道路ネットワーク検討会」を設置。気仙地域から内陸部へアクセスする道路のあり方を検討してきた。
 その結果、東日本大震災からの早期復興や交流人口の増大、救急・救助・救援活動の迅速化、農水産物の迅速な搬送、大船渡港の利用促進等に寄与する基幹的な路線として、気仙地域と宮守ICを結ぶ国道107号を選定。将来的には地域高規格道路の指定を目指しながら、当面は幹線横断道路としての機能が発揮されるように、早期に改良整備する必要があるとの結論に至った。
 気仙各市町としても連携、発展するための共通課題として認識。要望書では「国道107号について、白石峠、荷沢峠など峠部の新たなトンネルの建設や屈曲区間のショートカットなど、幹線横断道路にふさわしい改良整備の事業化に向けた検討へ早期に着手するように」と求めた。
 要望に対し、及川部長は「国道107号は震災時も命をつなぐ道路として大きな役割を果たし、復興支援道路にも位置付けている。宮守ICに接続する道路については早期の整備は難しいが、内陸部へアクセスする道路が果たす役割、事業規模や今後の交通量の推移などを勘案しながら総合的に検討していきたい」と回答。検討会の取り組みには、「重く受け止めたい」と述べた。
 意見交換では、気仙側の出席者らが「降雪時でもトレーラーが安全に走れる道路が必要」「救急車両が一刻も早く着ける道路整備を」「県土の均衡ある発展から見ても、地域間格差があり、沿岸部は厳しい状況。道路の改良が必要」などと意見。大船渡港の利用促進や所得向上などのためにも、早期整備が重要と訴えた。
 要望後、戸田市長は「気仙2市1町などが一丸となって行った要望であり、県側も重く受け止めたと思う。今後も継続して要望していきたい」と話していた。