総合的な学習に高い評価、末崎中が特別賞を受賞/生物多様性アクション大賞で

▲ 千葉校長㊧が授賞式に出席して賞状などを受け取った

 大船渡市の末崎中学校(千葉和仁校長、生徒92人)が取り組む総合的な学習「産土(うぶすな)タイム」が、生物多様性アクション大賞2016で特別賞の「グリーンウェイブ賞」を受賞した。地域の誇りである「三陸ワカメ」を核として、森から海までの生態系のつながりや自然の恵みについて体系的に学ぶもので、同校では受賞を機に取り組みに対する意識をさらに高めている。

 

漁業や林業を体験 


 生物多様性アクション大賞は、環境省などが構成員の「国連生物多様性の10年日本委員会」が主催。広報活動の一環として平成25年から開催している。五つのアクション「たべよう、ふれよう、つたえよう、まもろう、えらぼう」を広く呼びかけており、全国各地で五つのアクションに取り組む団体・個人を表彰している。
 今年は全国104団体から応募が寄せられ、同校が特別賞に選ばれた。
 同校では、1~2年生が漁業関係者と連携して地場産業であるワカメの養殖・販売を体験。3年生になると、栄養分の豊富な水が海へと流れ込む森・川・海のつながりを考え、流域の視点から森林の働きを学び、植林や間伐などを行っている。
 15年には林野庁三陸中部森林管理署と協定を締結し、末崎山国有林の一部に中学校の森として「産土の森」を設定。同署では国有林を活用した森林整備活動を通じて「森林と海の関わり」について生徒たちに理解を深めてもらおうと取り組みを支援している。
 今回は、地域の未来を担う子どもたちが世代を超えながら地域との連携・協働に取り組み継続的に森づくりに取り組んでいることも評価されての受賞。授賞式は19日に東京都で行われ、千葉校長が出席。席上、「産土タイム」のプレゼンテーションも行った。
 受賞を受け、千葉校長は「本校が平成14年から続けている産土タイムを高く評価していただいたことをうれしく思う。これからも学校の誇りとして継続していきたい」と話していた。