躰道で初の日本一に、大船渡出身の佐々木さん

世界大会の切符獲得

 

 第50回全日本躰道選手権大会(NPO法人日本躰道協会主催)はこのほど、東京都のBumB東京スポーツ文化会館で行われた。この中で、大船渡市盛町出身の佐々木拓真さん(23)=神奈川県=が個人実戦競技で優勝し、日本一に輝いた。優秀選手賞も獲得し、来年開かれる世界大会への切符も手にした。

 躰道は旋・運・変・捻・転の運動法則をもとにし、昭和40年に創始された武道。アクロバティックな動きを特徴としており、組み手による「実戦」、技の正確さや緩急などを審査する「法形」、1人の主役と5人の脇役で技を出し合う「展開」の各競技がある。
 全日本大会は男女別や個人、団体などで、実戦(4種目)、法形(5種目)、展開(2種目)の11種目を展開。全国各地の精鋭が出場し、日本一を争った。
161127-6清・たい道日本一  顔丸 佐々木さんは東海大で躰道部に入部。在学中にも、数多くの大会で好成績を収めており、平成25年には第6回世界躰道選手権大会男子個人実戦競技で第3位と、世界の舞台でも活躍を残した。
 大学を卒業して社会人になっても躰道は継続。学生時代と比べて練習時間は少なくなったが、限られた時間で集中し、日本一を目指して技を磨いてきた。
 今大会では、46人がエントリーした男子個人実戦競技に出場。実力者を次々と破って勝ち上がり、準々決勝では前回大会優勝者に勝利。決勝では、佐々木選手が躰道を教わり、目標としてきた金子智一選手と対戦。何度も日本一となっている金子選手相手に、技ありを先取されるも、その後は立て続けに二つの技ありを奪って一本勝ちで勝利し、初の日本一の座を手にした。
 佐々木選手は、「全日本選手権は、実力的に去年、おととしも優勝を狙える位置だったが、あまりうまく勝てずつらかった。今年は調子もよく、勝つことができた。何よりも決勝で目標としてきた金子選手と戦い、勝てて優勝できたことが感慨深い」と振り返る。  世界大会は来年7月末、山梨県を会場に開かれる。2度目の世界大会に向け、「今回は優勝候補として出場するので、頂点を狙いたい」と意気込んでいる。
 大会には、大船渡市を拠点に技術を磨く岩手県チームも出場。1チーム5人で出場する男子団体実戦は1回戦で敗退、男子個人実戦競技には大角卓寛、山根竜二の2選手が出場し、1回戦は突破したものの、2回戦で惜しくも敗退した。佐々木選手の活躍には、「躰道を始めて5~6年ほどで全日本選手権を制覇したことは、大船渡の誇り」と、祝福の声を寄せている。
 岩手県協会は、大船渡市盛町の時習館で毎週土曜日午後1時30分から練習を実施。協会では競技の普及を図っており、「気軽に体験を」と参加を呼びかけている。問い合わせは金野さん(℡090・2368・0476)へ。