復興や活性化へ実現を、10組が発表各賞決まる/大船渡のビジネスプランコン(別写真あり)

▲ 最終審査会で各賞を選出したビジネスプランコンテスト=大船渡市魚市場

 潜在的なビジネスプランの発掘などを目指す「大船渡ビジネスプランコンテスト2016」の最終審査会と表彰式は4日、大船渡市大船渡町の同市魚市場で開かれた。3部門の10組が最終審査のプレゼンテーションに臨み、大船渡の活性化に向けた事業の計画、アイデアを発表。審査を経て各賞が決まり、受賞者らは地域の復興、発展を目指し、プランの実現を誓った。

 コンテストは、市や大船渡商工会議所、岩手大学などの6者で構成する実行委員会(委員長・戸田公明市長)が主催。起業や新たな事業展開に対する意欲の向上などを目的に、平成27年度から開催している。
 2回目の本年度は、ビジネス、ドリーム(一般)、同(学生)の3部門を設定。ビジネスには8件、ドリームの一般には11件、学生には15件の応募があった。
 1次審査では、ビジネス3件、ドリーム・一般3件、同・学生5件が通過。最終審査会にはこのうち、ビジネス3件、ドリームの一般3件、学生4件が臨んだ。
 審査会と表彰式には、発表者や関係者、市民ら約100人が出席。戸田市長らのあいさつに続き、部門ごとにプレゼンテーションを行った。
 発表者らは、大船渡の産業や観光、文化などの発展に向けた事業計画、アイデアを発表。参加した市民らも、熱心に聞き入った。
 審査の結果、最優秀賞はドリーム・一般が盛岡市の1級建築士・鎌田善仁さん(64)による「世界へ飛躍する秋刀魚(サムライ) 元祖三陸大船渡さんま寿司の商品化・販売」、同・学生が千葉一絵さん(大船渡高校3年)の「地域を繋ぐ塩 三陸の海産物に+α」、ビジネスでは大船渡市の㈱スリーピークス(及川武宏代表取締役)による「三陸に100年続くワイン文化の創造とリアス海岸連携による国際交流の促進」が受賞。千葉さんは特別賞にも輝いた。
 鎌田さんのプランは、大船渡で水揚げされたサンマを押しずしに加工して駅弁として販売し、大船渡のPRを図ろうとのもの。受賞に対し、「商品化を目指して一日も早く市場に出し、大船渡のサンマをブランド化して世に送り出したい」と決意を述べた。
 千葉さんは、大船渡での藻塩の製造、販売に取り組み、三陸の地域資源を調査する研究所の開設、すべての人が自分の良さを最大限に生かせる社会づくりを提案。「プランを実現できるよう、大船渡に戻ってきたら起業し、夢をかなえられるよう頑張りたい」と意欲を見せた。
 ワインやシードルの製造、販売を手がけるスリーピークスは、三陸の海産物と合うワインの提供や、スペインとのリアス海岸連携などを通じ、100年続くワイン文化を築きたいと発表。及川代表(37)は「100年続く文化の一歩となるよう、ワイナリーの建設、観光客の誘致に向けて頑張っていきたい」と語った。
 谷藤雅俊審査委員長(有限責任監査法人トーマツ執行役)は講評で、「それぞれのプランを実現したら、どんなに大船渡が良くなるか。必ず実現するという決意と覚悟を、もう一度確認してほしい」と呼びかけていた。
 各部門の受賞者は次の通り。
 ◇ドリーム・一般▽最優秀賞=鎌田善仁▽優秀賞=ウミネコdesign(寺澤草太、平野恵人)▽奨励賞=中西耕二郎
 ◇同・学生▽最優秀賞=千葉一絵(大船渡高3年)▽優秀賞=立命館大「大船渡観光ガイド『オオフナコ』」▽奨励賞=江口大和(明治大4年)、岩手大「Heat Think Lab」
 ◇ビジネス▽最優秀賞=スリーピークス▽優秀賞=恋し浜ホタテデッキ▽奨励賞=AMIFA㈱
 ◇特別賞=千葉一絵