全日本空手道選手権出場へ、大船渡高の冨澤君/きょうから日本武道館で

▲ 全日本選手権への出場を決め、熱のこもった稽古に当たる冨澤君=大船渡市

 大船渡市三陸町越喜来の冨澤拳真君(大船渡高3年)が、10、11の両日、日本武道館で開かれる第44回全日本空手道選手権大会(全日本空手道連盟主催)の男子形個人戦に出場する。希望郷いわて国体で準優勝するなど今年の活躍が認められ、全空連からの推薦を受けて切符を手にした。実業団や各地方代表など大学、一般を含めた日本トップの16選手で争われる大会で、「自分が出られるとは考えてもいなかった。試合を通じて勉強したい」と闘志を燃やす。

 

国体活躍で切符手に

 

 同大会の男子形個人戦は11日に行われ、トーナメントで日本一を決める。
 国内のみならず、国際舞台でも活躍している選手がそろっており、冨澤君の初戦の相手は、今年の世界選手権で2連覇し、東京五輪でも金メダル獲得が期待される喜友名諒選手。反対のブロックには、いわて国体少年男子形の決勝で対戦し、全国選抜、インターハイとの高校3冠を果たした山中望未選手もいる。
 冨澤君は小学1年のころ、地元の空手道スポ少「大空塾」に入門。はじめのうちは「ただ練習に通っていただけ」だったが、県大会で優勝するなど徐々に頭角を現し、空手にのめり込んでいった。
 高校入学とともに目標に掲げたのが、46年ぶりとなる地元開催のいわて国体優勝。2年春からは、国体の本県空手道選手団のスーパーバイザーで、全空連強化委員長の香川政夫帝京大監督のもとへ定期的に遠征し、体力づくりにも励んだ。
 3年生になると体格も一回り大きくなり、技の力強さと速さが増した。国体前の東北総合体育大会(ミニ国)では、これまで一度も勝てなかった相手を決勝で下して優勝し、自信をつけた。
 国体では、完璧な演武で準決勝までの3試合すべて5―0のストレート勝ち。決勝はミスがあり敗れたが、大舞台で実力を示した。
 全日本選手権には、国体成年男子形を制した本県代表の在本幸司選手の応援をと、会場に行く予定を立てていた冨澤君。
 10月末に出場を知らせる吉報が舞い込み、「もっと実力のある選手がいるのに、まさか自分がと信じられなかった。不安だけど、出場するのが夢の一つだったのでうれしい」と喜ぶ。「国体でもやりきれない思いをした。世界レベルを学ぶ機会なので、しっかり勉強してきたい」と意気込む。