復興ドラマ撮影開始、県などが制作・3月に県内6カ所で放映/大船渡

▲ 撮影した映像を入念にチェックする刈屋さん㊥やスタッフら=大船渡町

 東日本大震災の記憶を全国、世界、未来へとつないでいこうと県が取り組む「東日本大震災復興動画プロジェクト~いわて復興ドラマ~」の撮影が9日、大船渡市で始まった。同日はドラマ第2話「冬のホタル」の撮影が大船渡町明神前地内で行われた。冬のホタルの撮影は12日(月)まで続き、その後、18日(日)からは市内で第1話「日本一ちいさな本屋」の撮影が始まる。
 同プロジェクトは、復興庁の被災社支援総合交付金を活用。県と岩手日報社、IBC岩手放送、岩手めんこいテレビがドラマ2話を製作して県内外に発信する。
 盛岡市在住の作家・高橋克彦さんが監修。脚本は遠野市出身の道又力さん、監督は盛岡市出身の下山和也さんと、北上市在住の都鳥拓也さん・伸也さん兄弟。テーマソングは、幼少時代を大船渡市で過ごしたシンガー・ソングライターの松本哲也さんが担当する。
 出演するのは陸前高田市出身の村上弘明さん、長谷川初範さん、藤田弓子さん、古谷敏さん、大船渡市出身の横道毅さんらで、「オール岩手」で制作に臨む。
 原作ストーリーは、今年8月から9月にかけて公募。58人から75作品の応募があり、選考の結果、大船渡町の理容師・佐々木俊夫さん(63)の「冬のホタル」と、三陸町吉浜の小学校教諭・小松則也さん(58)の「日本一ちいさな本屋」が選ばれた。
 9日は、佐々木さんが営む理容店付近の路上を舞台に、午後5時ごろから「冬のホタル」の撮影を開始。役者、スタッフ、エキストラら合わせて約30人が参加した。
 現場では、主演の刈屋真優さん(23)=盛岡市=が、冬にホタルと出会う幻想的なシーンなど、ドラマ中盤の2シーンを撮影。
 ゆったりとした雰囲気の中で撮影が進み、刈屋さんも迫真の演技を見せていた。
 原作者の佐々木さんも撮影を見学。住民役でドラマに出演し、一言だがせりふもあるという。
 「自分の書いたものがこんな風に撮られていくのか」と感慨深い表情を見せながら「一番伝えたかったのは、大好きだった人を亡くして、話もできない、姿も見えないけどいつもそばで見守ってくれているんだよ、ということ。それが伝わる作品になれば」と原作への思いを語る。また、「震災で亡くなった方はたくさんいる。残された方々の気持ちが少しでも和らいでくれれば」と願いを込めた。
 ドラマは3月4日のリアスホールでの上映会を皮切りに、県内6カ所で上映される。その後はテレビ放送し、最終的には県の動画チャンネルでも配信する予定。