この手で郷土食を、す~みんで「岩豆腐」づくり/住田町(別写真あり)

▲ 地域に古くから伝わる岩豆腐づくりに挑戦=町保健福祉センター

 住田町食いくプロジェクト・ワーキングチーム「す~みん」による調理実習は13日、町保健福祉センターで開かれた。参加した女性たちは住田産の大豆を使った郷土食「岩豆腐」づくりに励み、奥深さを感じながら伝承意識を高めていた。
 す~みんは「住田の食を応援する女子会」として前年度発足。パティシエや町観光協会、食生活改善推進など食分野に関係する女性9人で構成している。
 7回目となる会合では、「岩豆腐の伝承」として調理実習を取り入れた。地域住民らによると、水切りをしっかりすることでズシリと重く、大豆の風味や香ばしさが生き、保存食としても重宝されていた。けんちん汁や煮染めなどで欠かせない一品ではあるが、町内での製造業者はゼロとなり、家庭でつくる機会も減った。
 これまでの会合で、つくり方の伝承や体験が話題となり、メンバーも調理への意欲を見せていた。調理実習では講師役として保健福祉課の佐藤香織主任栄養士を招き、世田米小3年生の授業で行っている「手づくり豆腐体験」の流れに沿って行った。
 2丁分で使用した大豆は600㌘で、住田産を活用。海水にがりは、約30㍉㍑を使った。
 長時間水につけて数倍の大きさになった大豆をクリーム状になるまでミキサーにかけ、さらに熱湯に入れて煮込んだ。おからを除き、取り出した豆乳を温めたあとで、にがり液を数回に分けて混ぜ合わせる作業も行った。
 流し入れる豆腐箱は、FSCの森林認証を受けている木製を使用。水切りを行い、木箱から抜くと四角い豆腐が姿を現した。
 試食も行い、手づくりのおいしさを実感。チームリーダーを務める上有住の佐藤晃子さん(35)=お菓子工房・イートプラス=は「子育て中だったり、若い世代は学びたいと思っていても、機会が少ないのでは。思った以上に手順が多く、奥深さがあった」と話していた。