太陽光発電、東北電力管内の住宅用は1kwh30円に/29年度の買取価格
平成28年12月17日付 7面

気仙の導入量は県の1割
太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーを買い取る、国の「固定価格買取制度(FIT)」の平成29年度買取価格が、16日までにほぼ固まった。主に住宅に用いられる出力10㌔ワット未満の太陽光発電システムは、気仙を含む東北電力管内では、発電量1㌔ワットアワー当たり30円と、本年度に比べて3円引き下げられた。10年間、同一価格で買い取られる。気仙でも導入が進む同システムについては、30、31年度の買取価格も示されており、導入を検討する住民にとっては参考となりそう。
FITは、太陽光、風力、中小水力、バイオマスといった再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束する制度。
住宅向けの10㌔ワット未満の太陽光発電システムは、家庭で使い切れずに余った電力を、10㌔ワット以上の同システムや他の再生可能エネルギーは発電した全量を買い取る。
24年度にFITが開始されて以降、気仙でも太陽光発電システムの導入が進んでいる。10㌔ワット未満の同システムの累計導入件数は8月末現在、大船渡市が568件で、発電出力は2654㌔ワット、陸前高田市が505件で2459㌔ワット、住田町が43件で211㌔ワット。
導入件数、出力とも、気仙全体で本県(1万826件、5万264㌔ワット)の約1割を占める。
1件当たりの平均出力は、大船渡市が4・7㌔ワット、陸前高田市と住田町がいずれも4・9㌔ワットと、県の平均(4・6㌔ワット)よりも、やや出力が大きいシステムが導入されている。
FITの前身である「太陽光発電の余剰電力買取制度」からの移行分は、大船渡市が281件で1136㌔ワット、陸前高田が114件、538㌔ワット、住田町が20件73㌔ワット。
FITの買取価格は、経済産業省に設けられた算定委員会が取りまとめた意見をもとに、経産大臣が決めている。このほど行われた同委員会の会合では、委員長案として、各再生可能エネルギーについて、29年度以降の買取価格が示され、10㌔ワット未満の同システムについては、31年度までの買取価格がまとめられた。
それによると、同システムの買取価格は、システムに出力制御対応機器の設置が義務付けられている東北電力管内では、29年度が1㌔ワットアワー当たり30円、30年度が同28円、31年度が同26円。
また、燃料電池など他の発電機器と「ダブル発電」する場合、29年度の買取価格は同25円。本年度から据え置きとなった。