2016気仙この1年/記者の取材ノートより⑦【スポーツ】
平成28年12月28日付 1面

国体イヤー気仙も元気発信
3市町でデモスポ、公開5競技
空手道男子形で冨澤君が準優勝/いわて国体
今年は10月1日、「希望郷いわて国体」が開幕し、各競技が11日まで県内各地で行われた。気仙からは9競技に15選手・監督(出身者含む)が出場。3市町ではデモンストレーションスポーツ(デモスポ)と公開競技の5競技が行われ、支援への感謝、復興への元気を発信した。(文中の年齢・学年は当時)
気仙勢は、空手道競技少年男子形の部で、冨澤拳真君(大船渡高3年)が準優勝。気仙出身者計5人がメンバー入りしたバレーボール成年女子と少年女子は、ともに5位入賞した。
8月には、大船渡市でデモスポ・マラソンが、陸前高田市で同・ビーチバレーが開催された。9月には大船渡市で公開競技・グラウンド・ゴルフが2日間の日程で行われ、10月には同市でデモスポ・ウオーキングが、住田町で同・クッブが繰り広げられた。
一方、全国障害者スポーツ大会「希望郷いわて大会」は10月22日から24日まで、県内各地で開催された。気仙からは正式6競技に16選手が臨んだ。
陸上では、阿部信子さん(46)=大船渡市=が2冠を達成し、佐野幸広さん(33)=同=が1種目で金メダルを獲得した。
水泳では、今野房子さん(58)=大船渡市=が2種目を制覇。佐々木嵩知さん(22)=同=は個人1種目、男女共通リレーを制した。
ボウリングでは、少年男子1組で気仙光陵支援学校の菅野一馬君(高等部2年)が金メダルを手にした。
各年代が健闘、今後の活躍にも期待
気仙のスポーツ界は、今年も各年代で健闘をみせた。
1月には、高田高出身の熊谷光さん(東京国際大3年)が、箱根駅伝の復路6区(20・8㌔)を駆けた。毎年国民に感動を与える夢の大会に臨み、同区としては9位の力走をみせた。
4月には、滋賀県大津市のびわこ成蹊スポーツ大の田中勘太さん(1年)=大船渡市出身=が、JFA・Jリーグ特別指定選手に指定された。大学の所属チームに登録したままJリーグの試合に出場できることとなり、プロの世界に足を踏み入れた。
バレーボールでは、小学生が実力を示した。6月のファミリーマートカップ全日本バレーボール小学生大会岩手県大会で、大船渡市の大船渡ブルーサンダーズが男子の部を、陸前高田市の高田東Jrバレーボールクラブが女子の部を制した。気仙勢がアベック優勝を果たし、全国大会でも健闘した。
7月には、陸前高田市横田町出身の佐藤征平さん(24)=国士舘クラブ=が、五輪代表選考会を兼ねた「日本陸上競技選手大会」砲丸投げで自身過去最高の4位入賞。惜しくも表彰台は逃したが、16位に終わった前回大会の雪辱を果たした。
世界を舞台にたたかう選手も
今年は、世界を舞台にたたかう選手の活躍もあった。
大船渡中3年の佐藤琴美さんは11月、ヨーロッパ各国で行われたフェンシング競技カデ(17歳未満)のサーキット大会に出場。4人1チームの団体戦にも臨み、日本勢初のエペ制覇を果たした。
大船渡市盛町出身の佐々木拓真さん(23)=神奈川県=は、全日本躰道選手権大会の個人実戦競技で優勝。優秀選手賞も獲得し、世界大会(来年7月、山梨県)の切符を手にした。
ソフトテニスでは、陸前高田市協会長の菅野勝郎さん(68)が、全日本シニアソフトテニス選手権大会で通算9度目の日本一に、アジアシニアソフトテニス選手権大会で通算4度目のアジア王者に輝いた。
父親が陸前高田市米崎町出身で、同市のふるさと大使も務める金野潤さん(49)=日本大学柔道部監督=は、全日本柔道連盟の強化委員長に就任。
4年後の東京オリンピックへ向けた選手育成に携わることになり、「日本柔道」のさらなる発展へ、その手腕発揮に期待がかかる。