自慢のイチゴ連日収穫、米崎町の大規模園芸施設/陸前高田

▲ 出荷が始まったイチゴ。来年6月までの安定出荷を目指す=米崎町

 陸前高田市の農業生産法人、㈱JAおおふなとアグリサービスが管理する米崎町の大規模園芸施設で、今月からイチゴの出荷が行われている。今季は市場でも珍しい新品種を試験的に栽培。昨季は病害虫被害の影響を色濃く受けたが、今回はおおむね順調に生育。来年6月末までの安定出荷を目指し、職員らが丁寧な管理に当たる。

 

安定出荷に期待込め

 

 大規模園芸施設は、振興作物のトマトとイチゴの安定生産、ブランド化を可能とする周年・養液栽培の技術実証・普及を図ろうと、市が昨年1月に整備した。
 軽量鉄骨造のハウス4棟は、広さがそれぞれ4000平方㍍ほど。1号棟ではイチゴを、2~4号棟ではミニトマトを栽培している。
 イチゴの栽培は「閉鎖型高設栽培システム」を導入。主流の高設栽培と同等の収量を確保しながら、養液管理の省力化や設備投資軽減も図れる。
 今季は9月上旬に定植。「紅ほっぺ」約1万9700本のほか、「革新的技術開発・緊急展開事業」の実証圃として、新たに仕入れた種子繁殖型品種「よつぼし」1420本を栽培している。
 よつぼしは、甘み、酸味、風味がそろう濃厚な食味が特徴。種子繁殖のため、病害虫の親子間伝染を回避でき、安定生産につながる。ポットでの育苗を省き、ほ場に直接定植も可能なことから、大幅な省力化にもつながるという。
 今季は、夏から秋にかけて高温が続いたため、短日、低温条件下で始まる花芽分化が遅れ、出荷スタートが今月初めにずれ込んだ。昨季は病害虫被害により計画の3割ほどしか収穫できなかったが、今季は温度管理、被害対策を徹底し、安定的な収穫が見込めるという。ピークは来年2月ごろで、年間出荷量は15㌧ほどを計画する。
 一方、ミニトマトは10種以上の品種を計約6万7000本栽培。夏の暑さの影響を受け、9、10月は収量が落ちたが、11月に入って持ち直した。糖度を高めるなど、さらなる高品質化を進めながら年間70~75㌧の出荷を目指す。
 イチゴ栽培を担当するアグリサービスの千葉勝久さん(40)は「よつぼしは、省力化につながり、とても魅力的な品種。試験栽培がうまくいけば、これからさらに生産規模を拡大していきたい」と構想を語った。