生命・財産守る使命胸に、陸前高田と住田で消防出初式(動画あり)

▲ 消防団活動に尽力した団員らの表彰も=陸前高田市

 陸前高田市で9日、住田町で8日に年頭を飾る消防出初め式が開かれた。参加した消防団員らは規律あふれる姿で連帯や火消しの心意気を示し、今年一年の無火災や防災への誓いを発信した。大船渡市の出初め式は15日(日)に、盛町内で予定している。

 

活動たたえ団長特別表彰も
陸前高田市

 

 陸前高田市の消防出初式は、高田町の第一中学校体育館で行われた。あいにくの空模様となり、分列行進は中止となったが、団員らが式典を通じ、防災・減災への思いを新たにした。
 団員318人が参加。渡邊克己団長は「昨年は火災や津波警戒などで出動したが、幸い大事には至らなかった。日ごろの団員の災害に対する備えのたまもの」とたたえ、「屯所の再建、部隊の再編など消防団には多くの課題が山積する。組織が活性化していくよう関係機関ともさらに連携していく」と述べた。
 統監の戸羽太市長は「3月で震災発生から6年となり、七回忌を迎える。節目の年としてもう一度防災、減災について考え、市民が安心して暮らせる陸前高田づくりに協力してほしい」と式辞。
 市消防本部の佐々木誠消防長は「昨年は全国各地で災害の被害があり、いつ、どこで、どのような災害が発生するか分からない状況。職務の重要性を再認識し、一層の精進を」と告辞した。
 その後、団長特別表彰も。昨年7月の県消防操法競技会に気仙地区代表として臨んだ横田分団第2部に優秀成績賞が、消防団活動の活動に尽力した全8分団から各1人に優良賞が贈られた。
 優良賞受賞者次の通り。
 佐藤拓人(広田分団)石川浩行(高田分団)瀧澤大輔(気仙分団)戸羽隆太(小友分団)大和田昌利(米崎分団)熊谷卓(矢作分団)松野卓(竹駒分団)菅野嘉章(横田分団)

 


拍手を受けながら行進披露
住田町

 

 住田町の消防出初め式は、世田米地内で行われた。新春を飾るすがすがしい青空の下で分列行進などが行われ、消防関係者は今年一年の無火災と、自然災害への防災充実を決意。さらなる団結による新たなまちづくりへの誓いも新たにした。

沿道で多くの住民らが見守る中で行われた分列行進=世田米商店街

沿道で多くの住民らが見守る中で行われた分列行進=世田米商店街

 式には町消防団から200人、婦人消防協力隊は125人、大船渡地区消防組合住田分署は14人が参加。天照御祖神社で消防団主催による無火災祈願が執り行われたあと、住田診療センター駐車場から分列行進が繰り広げられた。
 規律ある音色を響かせるラッパ隊を先頭に、消防団員や協力隊員が行進。消防車両20台も続き、商店街を彩った。沿道では子どもたちや高齢者が手を振り、行進特有の凛とした雰囲気の中にほほ笑ましさを添えた。
 農林会館での式典では、多田欣一町長が「統監を務めて16年目だが、沿道から拍手が出る行進は初めて。町民の皆さんも力強さとありがたさを胸に見守っている」とあいさつ。
 同組合消防本部の村上芳春消防長は、町内における昨年の火災発生件数は抑止目標よりも少ない2件であったと報告したうえで「地域密着で常に強い使命感を」と諭告。消防団の泉田義昭団長は訓示で「町民が安全・安心を実感できる住みよい郷土となるよう訓練を重ねる決意」と語り、団員らにさらなる精進、協力を求めた。
 消防団無火災表彰では、5年間達成の第1、3年間の第4、2年間の第6、1年間の第2、第5各分団に泉田団長が竿頭綬などを授与。婦人消防協力隊無火災地区隊として、4年間無火災の五葉、3年間の下有住、1年間の世田米、上有住各隊も表彰を受けた。
 菊池孝町議会議長らによる来賓祝辞に続き、出席者全員で「火の用心」を三唱。この一年の無火災と防災へ願いを込めた。