「こんな住田がいいな」、未来像をジオラマに/世田米学童クラブ

▲ 子どもたちが自主的に制作したジオラマ=世田米

 住田町世田米の生活改善センターを拠点としている世田米学童クラブでは、利用する世田米小5、6年生が「こんな住田になったらいいな」と、ジオラマ制作に取り組んでいる。大きな直線路に沿って住宅地や商店街を配置するだけでなく、住田にはない高層施設などを置き、希望に満ちあふれた将来の古里を表現。学校などの制作は今後も続くといい、児童たちの夢はさらにふくらみ続ける。

 

5、6年生が制作

 

 同クラブでは現在、児童15人が利用。先月から6年生の男子児童が自主的につくり始め、他の児童たちも制作するようになった。建物をつくるだけでなく、分担して道路を描くなどして、少しずつまちとして広がっていった。
 材料は工作用紙に加え、おやつ時間に食べたアイスクリームの箱などを再利用。同クラブは、かつて図書室だったスペースで過ごしており、ジオラマは受付窓口部分に置かれている。
 長さ2㍍超の大きな直線路に沿って、外観に工夫が凝らされた家屋や高層住宅が並ぶ。さらには、大きな電波塔を有した「すみたテレビ」や、まちのシンボル的な役割を担う時計台も。商店街ではペットショップや花屋、すし店などが並び、官公庁街では大きな警察署を設けた。
 ジェットコースターがある遊園地もつくり、「あったらいいな」が満載。各施設にはヘリポートを設けるなど防災面での機能性にも気を配っているほか、住宅の敷地を区切る生け垣はカラフルに仕上げるなど、自由な発想による〝政策提言〟もみられる。
 夢はふくらみ続け、実際の住田にはない海に浮かぶ船もつくられた。楽しく過ごすことができる学校施設などは制作途中で、今後も児童たちによる〝まちづくり〟は進む。
 現実を見つめ入院病棟を備えた病院も構えるほか、住宅地のそばに商店街を配置。制作を見守ってきた同クラブの松田千秋指導員は「子どもたちなりに、まちに何が必要かを考えている」と語る。
 平空君(6年)は「みんなの力で思っていた以上に『夢の世界』になった。もっとお店が増えて楽しい住田になってほしい」と話し、自分たちが描く将来像に希望を込める。