スネカが「怠け」いさめる、春告げる吉浜の伝統行事/大船渡(別写真あり)
平成29年1月17日付 7面
大船渡市三陸町吉浜に伝わる小正月行事の「スネカ」は15日夜、吉浜の各地で行われた。吉浜スネカ保存会(柏﨑久喜会長)のメンバーや地元中学生らが、奇怪な形相のスネカに扮(ふん)し、声を張り上げながら、吉浜の家々を訪問。子どもらの「怠け」をいさめ、豊漁や五穀豊穣、子どもたちの健やかな成長を願った。
「泣ぐ子いねえがー」
スネカは、「奇怪なもの」「えたいが知れないもの」とされ、小正月の夜に山から里に下りてくるとされている。一方で、里に春を告げ、五穀豊穣や豊漁をもたらす精霊であるともいわれる。
足にまだら模様の赤い斑点ができるほど、いろりのそばで怠けている者のすねの皮を剥ぐ「スネカワタグリ」を語源とし、江戸時代から続くと伝えられている。
平成18年に国の重要無形民俗文化財に指定。文化庁は、同様の来訪神行事とともに、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録を目指している。
この日は、保存会のメンバーや地元中学生ら約20人が参加。みのわらや、奇怪な面を着用してスネカに扮(ふん)し、300世帯以上を訪ね歩いた。
このうち、会社員・小松健一さん(36)宅では、4人の子どもたちが夕飯をとろうというところで、スネカが訪問。
玄関からガタガタと大きな音がしたあと、「泣ぐワラシいねえがー」などと大声を上げながら、長男・楓雅君(吉浜小3年)、次男・颯太君(同1年)、三男・颯斗君(2)の3人の前に現れたスネカ。
泣き出す颯斗君と、何度も「良い子にします」と声を出す颯太君。しばらくするとスネカは「ちゃんと宿題しろ」「良い子にしてろよ」などと叫びながら去って行った。
昨年12月に生まれたばかりの四男・楓季君をあやしていた小松さんは「(颯斗君は)物事が分かる年になってきたので、怖かったのだろう。両親からは、このくらいのころは自分もスネカが来ると泣いていたと聞くし、みんなが通る道。息子たちには元気よく育ってほしい」と目を細めていた。






