初めて議場を舞台に議論、中学生意見交換会/大船渡(別写真あり)
平成29年1月26日付 7面

大船渡市教育委員会による平成28年度中学生意見交換会は25日、市議会議場で開かれた。議場を会場とするのは初めてとなり、市内8中学校の生徒会役員が参加。生徒たちは二つのテーマで議論を重ね、各校の取り組みや個々の考えに理解を深めるとともに、生徒会活動の活性化につなげる参考とした。
生徒会活動の活性化を、市内8校が参加
意見交換会は、市内各中学校における生徒会活動の活性化や健全育成を図ろうと、毎年開催。これまでは各校や公共施設を会場としてきたが、本年度は議会事務局から「生徒たちが議会、政治に関心を持つ機会になれば」との働きかけもあり、初めて議場を使用した。
第一、大船渡、末崎、赤崎、日頃市、綾里、越喜来、吉浜各中学校の生徒会長ら役員24人と教職員らが参加。生徒らはやや緊張した面持ちで、議員席、当局席に就いた。
市学校教育課の千田晃一課長は、「協議内容を各校に持ち帰り、生徒会活動の充実を図ってほしい」とあいさつ。議長は、赤崎の生徒会長・須賀友香さん(2年)が務めた。
この日のテーマは、①生徒相互のかかわりを深める生徒会活動②メディアを正しく活用するために生徒会でできること──の二つ。それぞれ、代表の2校が自校の取り組みなどを紹介後、グループ討議も交えながら全体での話し合いを進めた。
このうち、①では各校の実態や課題を踏まえ、学校生活でのかかわりで大切なことを検討。「普段の生活から人間関係を築いていかなければ」「友情関係の保ち方が大切」「あいさつを交わすことでコミュニケーションを取ることができる」などの意見が出された。
先輩と後輩の〝上下関係〟も話題に。メリハリをつけながら良好な関係を保つ取り組みとして、「全校レクなどを通じ、上下関係を保ちながらも楽しく取り組んでいる」「合唱交流会で他学年の合唱を聴き、学べるところや課題を見つけ、いい機会になっている」といった具体例を示す学校もあった。
これらをもとに、「相手を尊重し、思いやりの心や友情を大切にしつつ、上下関係のメリハリをつけることが大切。執行部が先頭に立って生徒とのかかわりを増やし、道しるべになっていこう」とまとめた。
大船渡の生徒会長・菊地太晟君(同)は、「自分たちの学校にはない取り組みを聞いて、生かしていけるところもあり、これから役立てていきたい。議場での意見交換会はめったに経験できないことなので緊張したが、このような場で他校の生徒と話し合えてよかった」と、充実した表情。
議長席に座り、大役を務めた須賀さんは「議長は、思った通りに伝えようとしても伝わらなかったり、意見を出してもらうためにはどうしたらいいかが難しく、大変だった。話し合いでは、学校で行っていない取り組みもあって参考になった」と話していた。