名称は「アバッセ」に、陸前高田の商業・図書館複合施設(動画、別写真あり)
平成29年1月29日付 1面
4月27日の開業も決定
陸前高田市高田町のかさ上げ地に整備中の「商業・図書館複合施設」の名称が、「アバッセ(Abasse)」に決まった。気仙の人が「一緒に行きましょう」と呼びかける意味の言葉で、人々が誘い合い、集う場になってほしいという願いが込められている。28日にはネーミング応募者の表彰式が市役所で行われ、施設開業日を今年4月27日(木)、図書館オープンを6月中とすることも発表された。
新しい中心市街地の〝核〟となる同複合施設は、専門店街とスーパーマーケット、ドラッグストア、衣料量販店からなり、高田松原商業開発協同組合(伊東孝理事長)、陸前高田再開発(米谷春夫社長)、㈱ツルハ(鶴羽順社長)の3者が一体的に整備を担う。市立図書館も併設され、いずれも昨年夏から建設が始まっている。
同協同組合は長く愛される場所づくりを目指して、昨年10月まで施設全体のネーミング(愛称)を一般公募。全国から計676通の応募があった。
この結果、最優秀賞として同市米崎町の及川裕喜さん(30)の「アバッセ」を採用。同じく「あばっせ」を提案した竹駒町の菅野マチ子さん(65)と、「たかたのゆめモール」を考えた佐々木貴行君(7)=高田小1年=を優秀賞とし、表彰状と記念品を授与した。
及川さんの案が最優秀賞となった理由として、「買い物や食事、語りにと、市民の『あばっせ(行こうよ)』が集まる施設」といった提案背景が、▽市民の生活とコミュニティー、生涯学習をサポートする拠点▽用事がなくても行きたくなるような、にぎわいのある場所──という施設コンセプトに合致すること、「『アバッセ』という方言も、知らない人が聞くと外国語のような響きがあり、グローバルにもローカルにも通用する」などが挙げられた。
戸羽太市長は「『アバッセにあばっせ』を合言葉に、たくさんの人が集まる場所となれば」と祝辞。
また、エイトサスデザイン事務所の半田康人さんによるチョウと花をモチーフにしたロゴマークも発表され、「蝶々が集まる花のような施設」「復興を目指す地域の〝最初の花畑になる〟」というイメージが解説された。
及川さんは、「陸前高田の人にはなじみ深い言葉ながら、よその人からはカッコイイと思ってもらえる名前」を念頭に考えた名称だと説明。
作業療法士として勤務する市内の高齢者施設がアバッセにも開業予定といい、「地域のお年寄りがいつまでも健康でいられるような場所、地元の人に愛される場所になってほしい」と願った。
伊東理事長は「たくさんの応募があり、中心市街地に対する期待感をひしひしと感じた。いつまでも愛され続けるような施設運営を目指していく」と改めて決意を表明した。
また、2月8日(水)には市コミュニティホールで、アバッセに出店する10事業所による合同説明会を開催。就職を希望・検討する人の参加を呼びかける。実施時間は午前10時から午後3時。
問い合わせは同協同組合事務局(℡53・2111)まで。