交流から地域づくりを、生涯学習推進のつどい/大船渡市(別写真あり)

▲ 感謝状贈呈などが行われた「生涯学習推進のつどい」=リアスホール

事例発表や講演


 平成28年度大船渡市生涯学習推進のつどい(市教育委員会主催)は29日、盛町の市民文化会館・リアスホールで開かれた。「交流が生み出す地域の可能性」をテーマに、感謝状贈呈や事例発表、講演を展開。参加した市民らは、交流がもたらすさまざまな効果に理解を深めながら、地域づくりの充実、発展を誓い合った。

 つどいは、市内の生涯学習関係者が1年間の活動を振り返り、情報交換や先進事例を学び合うことで、次年度以降の事業・活動の改善につなげようと毎年開催。市民ら約180人が参加した。
 千葉雅夫教育委員長は、「つどいがそれぞれの地域のさらなる融和や、生きがいの創出に役立つよう期待する」とあいさつ。長年にわたり、地区、地域それぞれの公民館活動に尽力した21人へ感謝状を贈呈した。
 戸田公明市長は「〝ともに創る 三陸の地に輝き躍動するまち 大船渡〟を目指し、市民と協働を深めながら、夢と希望あふれる新しいまちづくりへまい進していく」とあいさつ。熊谷昭浩市議会議長が祝辞を贈った。

活動成果を紹介する事例発表も=同

活動成果を紹介する事例発表も=同

 事例発表では、末崎町のNPO法人居場所創造プロジェクトと、日頃市中学校が活動、学習の成果を紹介。同プロジェクトからは居場所ハウス館長の鈴木軍平さんが登壇し、東日本大震災後にオープンした同ハウスの役割や運営体制、今後の取り組みを語った。
 日頃市中では、鈴木花琳さん(2年)と杉山治樹君(1年)が全校で取り組む「椿の体験学習」について発表。体験学習を通じて、郷土愛や産業、地域資源の利活用などに触れ、考える機会になったとした。
 後半は、尚絅(しょうけい)学院大学エクステンションセンター(宮城県仙台市)の松田道雄特任教授が講演。「長寿社会の地域づくりを担う人のふれあい交流」と題し、会話による交流体験も交えながら話を進めた。
 この中で、健康長寿に必要な習慣の話題では、「他者のためにかかわれる生きがいを持つ」「人とつながる」などを紹介。「人とつながる」では、「人とかかわることは、しゃべること」として、「今後、ソフトの復興となるとき、一番単純で明快で、金がかからないことは、〝徹底的にしゃべるまち〟にすること。しゃべりたいときにしゃべり、誰かが聞いてくれるということさえすれば、万能薬になる」と語り、交流が健康長寿、子育てなどに大きな効果をもたらすとした。
 会場では、生涯学習の事業紹介展示も。参加者らは、さまざまな交流のあり方を学びながら、それぞれの地域活動に生かしていこうと誓っていた。
 感謝状受領者は次の通り。
 崎山陽一、熊谷亨、朴澤太一、佐々木晋一、比田雅之(赤崎町)、黒澤和昭(盛町)、滝田松男(末崎町)、加藤憲夫(赤崎町)、田村敏夫(猪川町)、今野公雄、今野民有(立根町)、伊藤義孝、近江俊洋(日頃市町)、熊谷秀一、平田聡一郎、遠藤喜隆、中村隆男(三陸町越喜来)、氏家利郎(大船渡町)、中村きん子(陸前高田市米崎町)、金野直(立根町)、崎山千春(赤崎町)