「食いく」給食に栄誉、地産地消コン・東北農政局長賞に/住田町

▲ 表彰を受けた多田町長(写真中央)と佐藤栄養士(同左)㊤=住田町

 全国地産地消推進協議会と都市農山漁村交流活性化機構主催の第9回地産地消給食等メニューコンテストに出品した住田町の「食いくプロジェクト」が、東北農政局長賞に選ばれた。地元産の夏野菜や鶏肉をふんだんに使い、昨年7月に学校給食として提供した「夏のすみたっ子給食」が高く評価されたもので、関係者はさらなる充実と地産地消推進に意欲を見せている。
 表彰状伝達は2日に住田町役場で行われ、東北農政局からは岩手支局地方参事官室の阿部尚子総括農政推進官らが訪問。多田町長と佐藤香織主任栄養士に手渡し「今後も住田の特産品をメニューに取り込むなど、プロジェクトの発展を」と期待を込めた。
 多田町長は「大変すばらしい賞。今後も名物メニューを開発して、次は農林水産大臣表彰を狙いたい」と感謝。懇談では佐藤栄養士が「アンケートでは子どもたちから『楽しみにしています』といったコメントをいただいている」と、メニューへの手ごたえを明かしながら、さらなる充実への決意をにじませた。
 「すみたっ子給食」は、将来を担う子どもたちをはぐくむ食育推進事業の一環として、町が立ち上げたプロジェクトが実施。地場産品利用促進に向け、年4回季節に合わせた給食を提供している。
 

7月に提供した「夏のすみたっ子給食」

7月に提供した「夏のすみたっ子給食」いたちょう

夏の給食は、7月14日に町内4小中学校、2保育園と住田高校用に計約670食分を用意。「すみっ米(こ)バンズ」「すみチキ」「ズッキーニのコールスロー」「夏野菜のミネストローネ」などをメニューとした。
 住田産米粉を用いたバンズは、もっちりとした食べごたえが特徴。すみチキは住田産の鶏もも肉を特製ニンニクダレにつけ込んで揚げ、幅広い世代に人気があるフライドチキンに仕上げた。
 住田でも広く生産されるズッキーニのほか、スープにも採れたての野菜をたっぷり入れた。バンズやすみチキは昨年10月に行われた産業まつりでも提供し、住民らから好評を博した。
 東北農政局長表彰は、コンテストに応募した東北の17団体のうち、審査基準を満たした全国表彰団体を除く11団体を選定。「すみたっ子給食」は昨年のコンクールでは全国表彰に進み、3位に相当する農林水産省食料産業局長賞に選ばれている。