気仙から2団体選ばれる、復興庁の「新しい東北」顕彰

▲ 若者のためのネットワークづくりに努めるwizの活動
▲ 民泊を推し進めるなど交流人口の拡大を図るマルゴト陸前高田

wizとマルゴト陸前高田

 

 復興庁は3日付で、「新しい東北」復興・創生顕彰と同復興功績顕彰の選定結果を発表した。人口減少や高齢化、産業空洞化といった被災地で顕著な課題を解決しようという、「新しい東北」の取り組みに貢献した個人・団体の活動を広く発信しようとのもので、両顕彰に10件ずつが選ばれ、気仙からは大船渡市のNPO法人wiz(中野圭代表理事)と陸前高田市の一般社団法人マルゴト陸前高田(大久保光男代表理事)が復興・創生顕彰に輝いた。
 両顕彰は、本年度から国が位置付ける「復興・創生期間」に入ったことを機に、被災地で進む「新しい東北」実現に向けた取り組みに貢献する個人・団体をたたえることで、活動を広く発信するとともに被災地内外への普及・展開を促進しようとの狙い。
 公募の結果、特に直近1年間の活動が対象の復興・創生顕彰に174件(個人部門29件、団体部門145件)、集中復興期間の5年間の活動を主とする復興功績顕彰には109件が寄せられた。
 選定委員は青柳光昌氏(日本財団ソーシャルイノベーション本部上席チームリーダー)、秋山弘子氏(東京大学高齢社会総合研究機構特任教授)ら4氏。両顕彰に10件ずつを選んだ。
 復興・創生顕彰に選ばれたwizは、県内外のが地元企業経営者とともに地域課題解決に取り組む「実践型インターンシップ」のモデルを構築。首都圏でのU・Iターン希望者のコミュニティーの構築なども行い、岩手で主体的に活動する若者のためのネットワークづくりに努めている。
 マルゴト陸前高田は、交流人口拡大に向けて「ここだけの学び」をテーマに、復興の現状や市民の姿をつぶさに伝える民泊形式での教育ツーリズムを平成28年から実施。これまでに企業、大学、高校などから800人近くを受け入れている。
 このほか、復興功績顕彰では、大船渡市の綾里漁協も参加する、生産者と消費者をつなぐ食べ物付き情報誌「東北食べる通信」編集長の高橋博之氏(花巻市)も選ばれた。
 顕彰式は9日(木)に仙台市で開かれる「『新しい東北』交流会in仙台」席上で行われる。