感謝・復興…思い胸に、バレーリーグ選手権/住田町(別写真あり)

▲ 10回目の出場を飾ったラドンのメンバーたち=世田米

県外チームが活気呼ぶ

 

 グリーンベル杯第23回気仙オープンバレーナイターリーグ選手権大会(住田町バレーボール協会主催)は11日、世田米の町社会体育館で行われた。大船渡市三陸町越喜来のキャンパスに通っていた北里大学OBによるチーム「ラドン」が10回目の出場を飾ったほか、ロサンゼルス五輪男子日本代表の奥野浩昭さん(56)が率いる東京都の男女混合チームが、早期復興を後押ししようと初出場。この日は東日本大震災の月命日でもあり、選手たちはさまざまな思いを込めながら熱戦を展開した。
 バレーボール愛好者の技術向上と友好親善を図ろうと、毎年この時期に開催。今年は気仙内外から11チームが参加し、3ブロックに分かれての変則リーグ戦、上位チームによる準決勝、決勝を行った。
 選手たちはレベルの高いラリーを展開するだけでなく、大きな声を出して盛り上げるなど活気を呼び込んだ。長年温かく迎え入れてくれる気仙関係者への感謝を込めながら、プレーを楽しむ県外在住者の姿も目立った。
 ラドンメンバーの一人で、現在は千葉県栄町在住の高橋歩さん(31、背番号3)=新潟県出身。5年11カ月前の平成23年3月11日、バレーボールを通じて知り合った越喜来出身の憂子さん(31)との婚姻届を提出するため、三陸町を訪れていた。午前中に当時の三陸支所で提出を終え、学生時代に交流があった事業所や住民を回っていた時、大きな揺れが襲った。
 憂子さんの実家は被災。憂子さんの祖母の自宅に身を寄せながら、5日間は実家の片付け作業に追われた。厳しい環境下での滞在は、憂子さんの親族らとの絆を深める時間にもなった。
 学生時代に愛した三陸の風景は被災によって変わり、北里大生がキャンパスに通う姿は見られなくなった。それでも、ラドンのメンバーは妻子らの理解を得ながら年に一度、この大会に出場するために集まり、気仙のバレーボール愛好者と再会を喜び合う。
 歩さんは「この大会によって、大学時代を思い出すことができる。毎年、関係者の皆さんが温かく迎え入れてくれるから、家族も送り出してくれる」と話していた。
 また、同協会関係者と以前から交流があった奥野さんは今年初めて、念願だった大会出場を果たした。「集まって楽しくプレーすることで、モチベーションを上げて復興につながってくれれば」と語り、笑顔を見せた。
 戦績は後日掲載。