観光復興・振興へ次の一手、第4回囲碁まつり開催へ/大船渡

▲ 4回目を迎える「碁石海岸で囲碁まつり」への協力を呼びかける木谷委員長㊥と柿島さん㊧=末崎町ふるさとセンター

 大船渡市末崎町の三陸復興国立公園・碁石海岸を基軸とした「囲碁のまちづくり」を進めている「碁石海岸で囲碁まつり実行委員会」(木谷正道委員長)は、4回目となる同まつりのスケジュールを11日までに発表した。市が制定した「碁石の日」(5月14日)を中心とする5月13~15日に開催。初の試みとして全国の視覚支援学校生による大会を盛り込むなど、大船渡への来訪を増やすきっかけづくりを図り、観光復興・振興への布石を打っていく。

 

5月14日「碁石の日」中心に、視覚障害者の大会盛り込む

 

 東日本大震災の支援活動などを縁に市内外の有志で結成された同実行委では、「碁石」の地名を復興と振興に生かそうと、「囲碁のまちづくり」を展開。
 平成26年度に「まつり」をスタートさせ、その後、市による「碁石の日」制定に向けた署名活動、碁石地区に鎮座する熊野神社の「囲碁神社」としての発信、目の不自由な人向けの碁盤「アイゴ」の普及など、幅広く活動してきた。
 4回目となる今回は盛町のリアスホールで開催。これまで同様にプロ棋士による指導碁などを行うほか、全国の視覚支援学校8~12校と前回参加した台湾の支援学校生らによる「全国盲学校囲碁大会・大船渡大会」、大会運営を手伝ってきた大学生らによる「学生囲碁大会」を催す。
 このうち、支援学校生の大会に向けて実行委では、全国67の支援学校中22校に「アイゴ」を贈るなどし、囲碁の魅力にふれてもらったうえ大会参加を呼びかけてきた。
 こうした取り組みは、全盲のアマ四段で「アイゴ」開発に携わった実行委メンバーの柿島光晴さん(39)=東京都町田市、日本視覚障害者囲碁協会代表理事=が中心になって展開。柿島さんは「補助やハンディなしで目が見える人とも対等に競うことができる。大規模な大会はまだなく、『全国大会といえば大船渡』と認知されるよう皆さんと力を合わせたい」と意気込む。
 大会にあわせ、地域内外での「囲碁神社」知名度向上を目指し、囲碁にまつわる新しい神事の創設、囲碁カルタづくり、地元の子ども対象の絵画コンクールなども計画中。
 故・木谷實九段を父に持つ木谷委員長(69)=神奈川県平塚市=は、「たくさんの人に来てもらうことが、大船渡の復興や振興につながる。とにかくたのしい大会にしたい」と話す。
 また、棋聖戦、名人戦、本因坊戦の「三大棋戦」大船渡招致の構想も練っているといい、「呼び込むことができるのならば、囲碁のまちづくりは持続性があるものになる」と語る。
 11日には地元の碁石地区復興まちづくり協議会(大和田東江会長)が囲碁まつりを機に始めた「碁石ふれあいのつどい」に柿島さんとともに参加。まつりへの協力を呼びかけた。