高田高校で提携証書締結式、米国・デルノーテ高校と姉妹校に/陸前高田市(動画、別写真あり)

▲ 菅野校長㊨とフューゲート校長が国際姉妹校提携証書に署名=高田高校

 県立高田高校(菅野慎一校長)と、アメリカ合衆国カリフォルニア州のデルノーテ高校(ランディ・フューゲート校長)との国際姉妹校提携証書締結式は14日、陸前高田市の高田高校で開かれた。両校の交流は、東日本大震災による津波で流された高田高校の実習船「かもめ」が、デルノーテ高校の地元・クレセントシティの海岸で見つかり、同校生徒たちの尽力によって高田高校へ返還されたことをきっかけにスタート。以来、お互いに生徒を派遣するなどして深め合ってきた両校の絆が、今回の締結式を経てさらに強固なものとなった。

 

両校の絆 さらに強く

 

 締結式には、両校の校長や陸前高田市とクレセントシティの代表者、交流事業に参加した高田高校生など、合わせて約40人が出席。デルノーテ高校を訪問する高田高校生に同行するなど、両校の交流に尽力している陸前高田市海外広報ディレクターのアミア・ミラーさんが通訳を務めた。
 式の冒頭、菅野校長とフューゲート校長が、「デルノーテ高校と姉妹校になることは、本校の魅力ある学校づくり、生徒の国際感覚の醸成、豊かな心の育成、教員の資質能力の向上など、大きな力になると考える。この姉妹校提携が、お互いの発展につながっていくことはもちろん、アメリカと日本の国際交流の活性化、世界に貢献できる人材の育成につながることを祈っている」、「今日は私たち両校にとって、とても重要な一日になる。きょう、私と菅野校長がサインするものは、あなた方がデルノーテ高校の生徒ともっとつながれるように、後に高校に入る生徒もつながっていけるように、先生方をつなげていくという約束。生徒の皆さん、この企画に参加してくれて本当にありがとう」とそれぞれあいさつした。
 続いて、派遣生徒を代表し、佐々木航平君(2年)が「デルノーテ高校の生徒やホストファミリーと交流できて良かった。デルノーテ高校と高田高校の絆がよりいっそう深まったと思う。来年は高田高校で交流できることを楽しみに待っています。今度は私たちがデルノーテの方々を歓迎したいと思う。これからも交流をよりいっそう深めていきましょう」と述べた。
 このあと、両校の校長が提携証書に署名。署名をしている最中には、「提携証書のホルダーは西陣織。色は実習船『かもめ』が漂流した海を象徴する青。青は高田高校のスクールカラーでもある」といった説明があり、出席者らが感心したようにうなずく姿も見られた。
 署名後、高田高校の生徒会長・三浦寿希哉君(2年)による提携証書の朗読も行われた。「両校は今後、姉妹校として、友情と交流を深めていくものとする」と読み上げ、▽高田高等学校の実習船「かもめ」の縁から始まった交流事業を継続する▽両校の生徒が他国や他地域の文化を知る▽グローバルな考え方ができる生徒の育成を目指す▽世界とのつながりを広げる──を姉妹校プログラムの目的として示した。
 最後に、クレセントシティのブレイク・インスコア市長が「きょう一緒にここで経験しているこの時間を誇りに思ってください。海の反対側に住んでいても、言葉や文化が違っても、二つのこの地域がつながることによって、どういうことをもたらすことができるのか。それをぜひ世界に見せてあげよう」、陸前高田市の市政アドバイザー・村上清さんが「今回署名していただいた中にはたくさんの目的がある。それを一つ一つ進めてもらうことで、両校の生徒の皆さんには世界に大きなインパクトを与える人になってほしい」と祝福。派遣生徒がアミアさんへ花束を贈呈したり、全員で記念写真に収まったりと、両校の絆が一段階先へ進んだ喜びを分かち合っていた。