統計開始以来初、交通死亡事故ゼロ1年に/気仙

▲ 交通安全関係者の地道な努力が結実した(写真は昨年12月に陸前高田市内で行われた街頭活動)

 気仙管内の死亡事故ゼロ期間は、21日で1年に到達した。管内で1年間の死亡事故抑止を達成したのは、県警が警察署別、月別の死亡事故件数の統計を取り始めた昭和46年以来、初めての快挙。大船渡警察署や交通安全協会、交通指導隊ら交通安全関係者のほか、同署と連携して交通事故撲滅に取り組んだ民間団体らによる地道な活動が実を結んだ。

 

関係団体の努力が結実

 

 大船渡署のまとめによると、気仙管内では、昨年2月20日に大船渡市日頃市町で発生したのを最後に、死亡事故が発生していない。死亡事故発生日の翌日を起点として、1年間死亡事故抑止を達成したのは、県警が警察署別、月別発生状況に関する統計を取り始めた昭和46年以来、初めて。なお、1月1日から12月31日までの1年間で交通死亡事故がゼロとなったのは、昭和30年が最後となっている。
 同市以外の2市町では、陸前高田市が昨年1月12日、住田町が平成27年6月21日以降、死亡事故が発生していない。
 昨年1年間の交通事故状況を見ると、人身事故は前年比17件減の73件と、昭和34年以降の最少を記録。全国的に話題となった高齢者が関係するものについては、高齢ドライバーによる事故が同12件減の11件、高齢歩行者が巻き込まれる事故が同5件減の4件と、いずれも半減した。
 今年の人身事故は21日現在、前年同月比1件減の12件と、昨年をさらに下回るペースで推移している。
 東日本大震災以降、復旧・復興工事で工事関係車両の交通量が増大するなど、交通情勢が目まぐるしく変化するなかでの事故の減少は、高齢者対策などの取り組みが奏功したもの。
 同署では、季節や月ごとの交通事故の発生状況を分析し、それに応じた交通指導取り締まりを展開。3市町の社会福祉協議会、県気仙生コンクリート協同組合、県トラック協会大船渡支部といった民間団体などと連携した施策も進めている。
 気仙地区交通安全協会、3市町の交通指導隊、母の会ら交通安全関係者らも積極的に街頭活動を行っており、一連の取り組みが快挙達成につながった。
 ただ、昨年10月以降に大船渡、陸前高田両市で歩行者が車にはねられる重大事故が3件発生しているほか、自転車が関係する事故も増加傾向にあるなど、依然として予断を許さない状況が続いている。
 21日現在の交通死亡事故ゼロ日数は、大船渡市が367日、陸前高田市が406日、住田町が611日となっている。