灯台2基が復旧、指向灯とともに再点灯へ/大船渡湾口防波堤

▲ 3月1日に再点灯する湾口防波堤の灯台=大船渡

 大船渡湾口防波堤の北・南堤に設置された灯台が3月1日に、大船渡市大船渡町丸森地内にある指向灯が同2日に再点灯する。灯台は東日本大震災の津波で湾口防波堤とともに倒壊したが、防波堤復旧に伴って再び設置。灯台復旧によって船舶が入港する際の安全も確保され、仮設灯浮標も撤去されることから航行できる海域の幅も広がる。
 湾口防の灯台は、南側が昭和42年、北側が同45年に点灯を開始。丸森地内の高台にある指向灯と合わせて、湾内に入ってくる船舶の目印として活用されてきたが、津波によって灯台が被災。指向灯は平成26年6月に消灯した。
 防波堤は24年7月に着工し、まもなく工事完了を迎える。防波堤の長さは北堤が244㍍、南堤は291㍍となり、施設高は震災前の倍以上となる11・3㍍。本体工事の進ちょく率は100%で、作業場の整理を残すのみとなっている。灯台は、釜石海上保安部からの受託で国交省東北地方整備局釜石港湾事務所が設置した。
 北防波堤灯台は高さ約8・6㍍、毎3秒に1閃光(せんこう)、南防波堤灯台は高さ約8・7㍍、毎5秒に2閃光。
 指向灯は平均水面から約53㍍の場所に位置し、高さは約14㍍。海上からでは、可航水路上正面では白く、左舷側に寄ると緑、右舷側に寄ると赤く見えるようになっており、約2年半ぶりの点灯となる。
 工事中に入出港船舶の安全確保を図って設置されていた仮設灯浮標も撤去となるため、船舶が航行できる幅は201㍍と、震災前とほぼ同じ広さが確保される。
 同保安部の林守弘次長(56)は「灯台の復旧が港の振興、発展、復興につながってくれれば」と話していた。
 同保安部管内では被災した灯台46基中42基が復旧している。大船渡湾口防波堤の灯台は県内41、42基目。