一般会計は46億円台、住田町29年度当初予算

170225-1%e3%80%80%e4%bd%8f%e7%94%b0%e4%b8%80%e8%88%ac%e4%bc%9a%e8%a8%88%e4%ba%88%e7%ae%97%e6%a1%88%e3%81%ae%e6%a6%82%e8%a6%81 住田町は24日、平成29年度の各種会計当初予算案を発表した。一般会計は46億2700万円で、大型事業である大船渡消防署住田分署整備費を盛り込んでいた本年度当初からは5億8700万円(11・3%)の減。各地区での自主的な取り組みを支える地域交付金や地域おこし協力隊設置事業を盛り込んだほか、昨年夏の台風被害の教訓を生かし、河川監視カメラの増設・機能充実も進める。予算案は3月2日(木)招集の町議会3月定例会に提案される。

 

「小さな拠点づくり」支援

 

 予算案は、一般会計が46億2700万円で、特別会計が21億4042万円(現年度当初比2・6%減)。総額は67億6742万円(同8・7%減)となった。
 一般会計歳入のうち、70・8%が依存財源。最も多い地方交付税は20億8000万円(同5・1%増)で、以下、繰入金6億602万円(同2・8%増)、町債4億6610万円(同59・6%減)、町税4億5337万円(同0・4%減)など。
 目的別歳出の内訳で最も多いのは、民生費の11億1151万円(同9・7%増)。これに総務費6億5192万円(同19・3%減)、公債費5億8707万円(同9・6%増)、教育費5億5943万円(同1・2%減)などが続く。
 現年度当初では、住田分署建設事業費に約5億円を計上。このため、29年度は歳出の消防費が同63・5%減の2億8579万円と、大きく変動した。歳入では、町債が大幅減。事業費の大半を占める建築費は繰り越しとなり、29年度中の完成を目指す。
 主な事業のうち、保育所運営費には2億9767万円を計上し、このうち乳児保育拡大に伴う世田米保育園増築工事予算として5700万円を盛り込んだ。土曜保育の本格運用も進めるなど、出産からの一貫した子育て支援充実を図る。
 町内の5地区公民館に地域おこし協力隊(事業費2531万円)と集落支援員(同1270万円)を配置。本年度も実施しているが、29年度はすべての地区で協力隊員が配置となる。
 さらに、地域づくりの財政支援に向け、地区の自主的な裁量で活用できる「地域交付金」(同400万円)を新規事業で盛り込んだ。特色を生かした「小さな拠点づくり」を支える。
 新規ではまた、河川監視カメラ整備に754万円を計上。気仙川を流れる上有住の八日町地域に新設し、世田米の昭和橋付近では夜間でも確認できるよう機能充実を図る。
 特別会計は、国民健康保険が9億446万円(本年度当初比4・3%減)、簡易水道事業は1億8209万円(同5・5%減)、下水道事業は8654万円(同2・3%減)、介護保険(保険事業勘定)が8億9330万円(同0・2%減)、同(介護サービス事業勘定)が147万円(同5・4%減)、後期高齢者医療が7257万円(同1・1%減)となった。
 財政指標面では、借り入れの4億6610万円に対し、元利償還金が5億8707万円と、本年度当初とは異なり、償還金が借り入れを上回る。過疎債をはじめ交付税措置のある有利な起債を予定しており、財政健全化判断比率は若干の改善を見込む。
 発表に臨んだ多田欣一町長は「目先のことに一喜一憂することなく、20年後、30年後の町の未来を常に見据えながら、町民とともに地域の魅力を生かしたまちづくりに取り組む」と述べた。
 今年8月4日の任期満了をもって勇退の意向を示しており、年度途中で新リーダーに町政が引き継がれるが「骨格予算ではない」としている。