解禁 晴天とともに、春の訪れ告げる渓流釣り/気仙川などで(別写真あり)

▲ 渓流釣りが解禁され、久しぶりにさおの感触を楽しむ太公望=気仙川

 県内の主要河川で1日、春の訪れを告げるヤマメやイワナなどの渓流釣りが解禁された。気仙川や盛川でも太公望たちが釣り糸を垂らし、心待ちにしていたシーズン到来の喜びをさおに込めた。気温が上昇する今月下旬以降の活気が期待される。
 この日の気仙地方は、午前から雲一つない青空に恵まれた。最低気温は大船渡が氷点下2・3度(平年比0・4度低め)、住田が同4・4度(同0・7度低め)と冷え込んだが、日中は大船渡が7・6度(同1・3度高め)、住田が8・9度(同3・3度高め)と寒暖差が大きい一日となった。
 気仙川のうち、住田町世田米川向の世田米浄化センター付近では、陸前高田市竹駒町の坂口三将さん(75)が釣り糸を垂らした。数日前から水深がある場所を探したといい「魚はいるんだろうけど、当たりがないな。もう少し暖かくなって、ひと雨あればいいね」と語りながらも、表情には解禁の喜びをにじませた。
 さらに上流部の上有住では、県外ナンバーの車両も。青森県から訪れた男性は「数年ぶりに気仙川に来た。昔はかなりいい思いをさせてもらって、渓相は今も相変わらずいいが、きょうの当たりはさっぱりだった」と話していた。
 川を囲む山肌には雪が残り、春を実感できる暖かさはもう少し先になりそう。例年は、3月下旬の彼岸明け以降、釣り人の姿が増えるという。
 気仙川漁協では「天気が良く、風がない穏やかな一日だったが、水量が足りないことが釣果に響いたようだ。例年二ケタが期待できる場所でも、イワナが数匹だったとの声を聞いた。今後の水量増に期待したい」としている。
 昨年、同漁協はヤマメ760㌔、イワナ100㌔を放流。本年度はヤマメ800㌔、イワナ100㌔の放流を計画している。