念願の本店整備に着手、さいとう製菓が中心市街地に/大船渡市(別写真あり)

▲ 地鎮祭で工事安全を願いくわ入れを行う齊藤社長=大船渡町

 大船渡市に本社を置くさいとう製菓㈱(齊藤俊満代表取締役社長)による「(仮称)大船渡Sプロジェクト新築工事」の地鎮祭は9日、大船渡町の大船渡地区津波復興拠点整備事業区域①街区で執り行われた。東日本大震災で被災した本店をはじめ、製造工程見学ができる工場、カフェなどを併設し、11月中旬のオープンを予定。出席者らは工事の安全を願うとともに、中心市街地への誘客によるにぎわいづくり、新たな観光拠点への期待も寄せた。

 

見学可能な工場も併設、11月中旬開業予定

 

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新施設の完成イメージ図

 地鎮祭には、来賓や関係者ら約40人が出席。神事では関係者らによるくわ入れの儀、玉ぐし奉てんなどを行い、工事の安全と早期完成を祈念した。
 齊藤社長は「この店舗は旗艦店として、たくさんの人が集い、にぎわい、笑顔あふれる場に、また、復興、地域の観光拠点としての役割を果たすべく、大船渡のまちづくりに貢献できるものと考えている」と述べ、多くの関係者の協力に深く感謝。
 戸田公明市長、施工者代表の東急建設東日本支店・川口佳正執行役員支店長もあいさつを述べ、工事の安全と復興のシンボルとしての施設発展に願いを込めた。
 同社では平成23年の震災によって、大船渡町の主要地方道沿いにあった本社社屋や総本店、和菓子製造部門の工場などが全壊。沿岸部にあった5店舗も、営業できない状態となった。
 その後、浸水を免れた赤崎町の中井工場に本社機能を移し、菓子製造を再開。同年4月には、大船渡町字富沢地内に仮本店をオープンし、営業を続けている。
 本店の本設店舗整備にあたっては、26年4月からプロジェクトを立ち上げて協議、検討を進め、市がJR大船渡駅東側に整備する津波復興拠点整備事業区域(約10・4㌶)の①街区に建設することとなった。
 敷地面積は1424平方㍍で、鉄骨造地上1階建ての施設(建築面積1374・46平方㍍、法延床面積1227・17平方㍍)を整備。設計は㈱乃村工藝社一級建築士事務所、施工は建築を東急建設㈱東日本支店、内装を㈱乃村工藝社東北支店が担当する。
 施設には本店機能のほか、製造工程の見学が可能な工場、カフェ、菓子作り教室ができるキッチン、キッズコーナーなどを併設。工場では、新商品の和菓子製造の様子を来店者に公開する予定という。加えて、交流の場づくりを目的とした「かもめテラス」も設ける計画。
 建設は今月1日にスタートしており、工期は10月31日(火)まで。オープンは、11月中旬を予定している。